オートマチック(AT)車に乗っていると、マニュアル車のようなエンスト(エンジンストール)は起こらないと考えがちですが、実はそうではありません。オートマ車でもエンストが発生することがあります。しかし、その原因はマニュアル車とは異なるケースが多く、対策もそれに合わせて異なるため、注意が必要です。
この記事では、オートマ車でエンストが起こる代表的な原因とその対処法について解説します。
オートマ車でのエンストの主な原因
- トランスミッションの故障 オートマ車は、エンジンとトランスミッションの間に複雑なシステムが介在しています。このトランスミッションが正常に機能しない場合、ギアの切り替えがうまくいかず、エンジンに負荷がかかりすぎてエンストすることがあります。特に、シフトチェンジ時に「ガクン」という異音や振動が感じられたら、トランスミッションの不具合が疑われます。
- エアフローメーターの故障 エアフローメーターは、エンジンに送る空気の量を計測するセンサーです。このセンサーが故障すると、エンジンに正しい量の空気が供給されず、混合比が狂ってしまいエンストが発生します。通常、エアフローメーターの不調はアイドリング時に不安定な動作が見られることで判明します。
- バッテリーのトラブル オートマ車は多くの電子制御システムに依存しているため、バッテリーの電圧が低下するとシステムが正常に機能せず、エンジンが停止してしまうことがあります。特に寒い季節やバッテリーの寿命が近い場合には注意が必要です。バッテリーが古いと、エンストが起こりやすくなるため、定期的なチェックが欠かせません。
- 燃料供給系の問題 燃料フィルターが詰まっていたり、燃料ポンプが故障している場合もエンストが発生します。燃料がエンジンに適切に供給されないと、アイドリング時や加速時にエンジンが停止することがあります。燃料供給系の問題は、エンジンのパワー不足や異常な振動として現れることが多いです。
エンストしたときの対処法
エンストが起きた際には、冷静に対応することが大切です。以下の対処法を覚えておきましょう。
- 車を安全な場所に移動 走行中にエンストが発生した場合、周囲の交通状況に注意しながら車を安全な場所に移動させます。パワーステアリングやブレーキが効きづらくなることもあるため、ハザードランプをつけて周囲に知らせながら慎重に行動します。
- エンジンの再始動 一度エンジンが止まったら、すぐに再始動を試みます。ただし、何度もエンジンがかからない場合や、異常な音がする場合は無理に再始動を行わず、専門業者に連絡しましょう。
- バッテリーやトランスミッションを点検 再始動に成功した場合でも、すぐにバッテリーやトランスミッションの状態をチェックすることが大切です。トランスミッションの警告ランプが点灯していたり、バッテリーの電圧が異常に低い場合は、整備工場での点検が必要です。
オートマ車のエンストを防ぐための予防策
エンストを防ぐために、日頃から以下の予防策を講じておくと安心です。
- 定期的な車両メンテナンス: トランスミッションオイルやエンジンオイル、バッテリーの状態を定期的にチェックし、必要な交換やメンテナンスを行います。
- バッテリーの寿命を把握する: バッテリーは平均的に2~3年で交換が推奨されます。寿命が近づくとエンストのリスクが高まるため、早めの交換が大切です。
- エアフローメーターの点検: エンジンが不安定な場合や、燃費が悪化したと感じた場合にはエアフローメーターの点検を行い、必要であれば交換します。
まとめ
オートマ車でエンストが発生する原因はさまざまですが、定期的なメンテナンスとトラブルの早期発見がその防止につながります。エンストが起きた場合は慌てずに、安全な場所に車を移動させ、必要な点検や修理を行うことが重要です。トランスミッションの不具合やバッテリーの低下、エアフローメーターの故障など、エンストの原因を知っておくことで、より安心して運転を続けられるでしょう。