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停電対策はマイカーで!発電&蓄電できるモデル

停電対策はマイカーで!発電&蓄電できるモデル

まさか台風で停電なんて…。千葉県の一部地域に台風15号が残した「長期停電」という爪痕は深く、多くの人の心と体を傷つけました。私たちの生活がいかに電気に頼って成り立っているか、改めて思い知った人も多いでしょう。

台風は2019年9月8日に日本列島を直撃、その強風と雨の影響で一時は最大64万軒が停電したと伝えられました。9月24日には一部を除きほぼ全面復旧したと言われていますが、その後も住民生活にさまざまな影響が残っているようです。不便な生活を強いられる中で、一躍注目を浴びたのがマイカーたちによる電気の供給。中でもBEV(バッテリー電気自動車)やハイブリッドカーなど、電動車と呼ばれる次世代カーが、災害などの非常時に電源供給車として役立つことを証明することになりました。

この記事では、千葉で活躍した最新の電動車を中心に、災害時だけでなく自分のライフスタイルにも気を配りながら、いざという時頼りになる給電可能なマイカー選びのポイントをご紹介します。

 

実際に被災地で活躍したのは、どんなクルマ?どこが違う?

 

報道によると、台風15号による停電被害を受けた街にメーカーや他の地区の自治体から電源として貸し出されたのは、トヨタのMIRAI、プリウスPHV、日産リーフ、そして三菱アウトランダーPEHVなどでした。同じ電動車とひとくくりにされていても、クルマとしてのカテゴリーやスタイル、メカニズムは異なり、各々に特徴を持っています。具体的な違いとしてはボディサイズ(最低地上高を含む)、駆動方式、利用する電気を取り入れるメカニズムなどが挙げられるでしょう。

注目すべきは、リーフを除いてどれもがAC100V・1500Wの電源コンセントが用意されていること。このコンセントがあればほかにデバイスを用意することなく、すぐに愛車の電気を使うことができます。MIRAIはアクセサリーコンセントとして運転席センターコンソールの後ろ側とトランクルームに標準装備、アウトランダーPHEVやプリウスPHVは、オプションで車載タイプのコンセントを設定しています。

1500W級の電気が供給できれば、一般的な家電の中でもとくに電気を食うといわれるドライヤーや炊飯器、電気ポットといった電化製品も使うことができます。一般的な車は多くても100V・200Wのコンセントが限界ですが、それでもノートパソコン、液晶テレビ、携帯電話発電機、ポータブルDVDプレーヤー、携帯ゲーム、電気シェーバー、ビデオカメラなどを使用することは可能です。

千葉の大停電のような状況になったとき、給電できる電動車が身近にあれば、どれほど不便が解消されるか想像することができるでしょう。それでは千葉の被災地では、どんなクルマたちがどのように活躍したのでしょうか?

バッテリーEV、”ピュアEV”と呼ばれる日産リーフ

日産リーフは、5ドアハッチバックというファミリーカーのお手本的なスタイルの持ち主です。サイズも比較的小さめですので街中では取り回しがスムーズで、乗車スペースもカーゴスペースもしっかり確保されています。

もっとも特徴的なのは走行メカニズム。リーフは一般的な「エンジン」を搭載しておらず、電気で駆動するモーターによって前輪を駆動させ、前に進む力を得ています。ブレーキをかけた時にエネルギー回生と呼ばれるささやかな充電を行うことはできますが、実際には外部からコンセントを使ってバッテリーに充電し、その電気を使って動きます。

十分な走行距離を稼ぐために大きめのバッテリーを積んでいますが、停電時にはその大容量バッテリーが大いに役に立ちます。先代リーフでは「Leaf to Home」というキャッチフレーズで家と電気マネージメントのつながりが謳われていましたが、現行型でもパワーコンディショナーと呼ばれる機器を使って屋外でも各種電化製品の電源として利用することができます。一般家庭で利用する電気量としては、およそ2〜4日分を賄うことができるそう。

一方、バッテリーがゼロになってしまうと、リーフは走ることができません。停電時には自宅で充電することができず、かろうじて通電している充電ポイントまで走って行くこともできません。そのため、とくにインフラが未整備の地域では使いにくいという弱点には気を使わなければならないでしょう。

外部からの電源に加え、自分でも発電できるプリウスPHV、アウトランダーPHEV

リーフと同じく、外部からバッテリーに充電し、それを使って電気モーターでタイヤを駆動させて走るのが、プリウスPHVとアウトランダーPHEVです。PHV、PHEVとは「プラグインハイブリッド(エレクトリック)ビークル」の省略形で、意味はほぼ同じと考えていいでしょう。

リーフと異なるのは、どちらも電気モーターだけでなくガソリンエンジンを搭載していること。このガソリンエンジンは走る時の駆動力としても利用されますが、発電する機能まで要しています。ですからガソリンさえあえれば、自分で発電しバッテリーに充電した電気を給電することができるのです。

バッテリーで充電できる電気量そのものは、リーフにはおよびませんが、ガソリンエンジンで発電することで、プリウスPHVの場合は最大で約4日間、アウトランダーPHEVに至っては最大約10日間、一般家庭に給電することが可能だと言われています。

クルマのカテゴリーとしては、プリウスPHVはリーフと同じく、5ドアハッチバックのファミリーカー、アウトランダーPHEVはオフロード走行なども可能にするSUVに分けられます。前者はコンパクトで取り回しがしやすいので、街乗りも女性が運転するのにも向いています。逆にアウトランダーは4輪駆動なので悪路走破性が高く、最低地上高の高さを生かして冠水時などにもより安心して走ることができるのが魅力。

さらにプリウスはバッテリーを車体後方に積んでいるために、荷室が狭く後席がふたりしか乗れない(定員4人乗り)になります。一方、アウトランダーはサイズも大きくバッテリーを床下に搭載しているので、荷室が広く5人乗りをしっかり確保していることも魅力的です。

なお今回の千葉には出動しませんでしたが、ホンダからもプラグインハイブリッドシステムを搭載したクラリティPHEVが発売されています。こちらは、ホンダPower Exporter 9000という可搬型パワーコンディショナーとの組み合わせで、9kVAという大出力を実現。一般家庭の基準なら、最大約7日間分の電気を供給することが可能になるそうです。頼りになりそうですね!

ガソリンを使わず水素で発電、環境にも優しいMIRAI

トヨタのMIRAIは、カテゴリーとしてはプレミアムサルーンに当たる車です。そのルックスもインテリアの雰囲気も未来感覚が溢れていますが、それもそのはず、この車は日本でもわずか2車種しか市販されていない次世代の乗り物、燃料電池車(フューエルセルビークル=FCVなどと略されます)なのです。

基本的には電気モーターで駆動する電気自動車ですが、外部から電気を充電するのではなく、PHEVなどと同じく自分で発電し、モーターを動かします。この時、発電に使われるのはPHEVのようなエンジンではなく、水素による化学反応で電気エネルギーを取り出す燃料電池と呼ばれる機構です。同じ自車発電でもガソリンを使うPHEVとは違い、燃料電池は大気汚染の原因となる二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)を排出しません。それこそがFCVは、究極のエコカーと呼ばれるゆえんです。

そんなMIRAIは標準でAC100V・1500Wのアクセサリーコンセントが装備されているので、燃料がある限りはいつでもどこでも発電し、ドライヤーや炊飯器といった、消費電力量が比較的大きな家庭用電化製品を使うことができます。水素満タンなら、一般家庭の標準的利用状況で約6日間分をサポートすることが可能なのだそうです。

環境にも優しく、車としての動力性能も非常に優れているMIRAIですが、一部のエリアを除いて、燃料となる水素の供給インフラがまだまだ整っているとは言いがたいため、ステーションが近くにない地方では利用が難しいのが弱点。ホンダからもクラリティFUEL CELLが発売されていますが、インフラの展開拡大こそが、車種の多様化と普及促進のカギです。

 

「生活するには最適」なミニバンで、給電できるクルマは?

 

最近ではSUV人気に押され気味とはいえ、根強い注目度を誇るミニバンタイプは、居住性としてはもっとも優れた素養を持っています。室内の広さ、天井の高さ、など、ある程度の期間を車内で過ごす(暮らす)にはもっとも向いていると言えるでしょう。

人気のミニバンにも、ここのところガソリンエンジンと電気モーターを備えるハイブリッド車のラインナップが増えているようです。ハイブリッド車のバッテリーは通常のものに比べて電圧が高いため、AC100V・1500Wのコンセントが標準装備もしくはオプションで設定されているものも多く、非常時には家電製品を使うことも可能です。

とくにトヨタは早くからエスティマなどにハイブリッドモデルを設定してきましたが、コンセントの展開にも非常に積極的です。現在ではアルファード、ヴェルファイアやノア、ヴォクシー、シエンタ、プリウスαなどのハイブリッドミニバンにコンセントが設定されています。そんなトヨタ車の場合、「非常時給電モード」に要注目。これは無人でもエンジンが自動的に充電を行ってくれるドライブモードで、AC100Vの電源として常に愛車を安心して使うことが可能になります。

ちなみにホンダもオデッセイ、ステップワゴンなどでハイブリッドモデルのラインナップを充実させるとともに、オプションとしてAC100Vコンセントを展開しています。ただしこうしたハイブリッド車は、エンジンをかけずに給電できる車種はありません。そのためアイドリングを規制する条例を持つ自治体などでは、利用には十分な注意が必要です。

 

ハイブリッド車でなくても利用可能!備えておきたい便利グッズ

 

100V・1500W電源を備えたハイブリッドモデルは確かに便利ですが、そのために愛車を買い換えるというのは現実的にはなかなか大変なこと。そこでオススメしたいのが、ハイブリッド車でなくても車のバッテリーから電気を取り出して利用することができる車載インバーターです。

これはシガーライターなどから供給されるDC12VをAC100Vに変換するものですが、使い方が非常に簡単なのが魅力。注意したいのは、ハイブリッドに比べて搭載されたバッテリーの電圧が低く、利用できるワット数が比較的少ないこと。コーヒーメーカーやドライヤーといった、大きな電気量が必要な家電製品には使えません。

またマイコンなどで高度に制御された最近の家電製品は、正弦波と呼ばれる電気の波形が必要となります。インバーターの種類によっては矩形波のものがあり、定格出力は足りていても動かない可能性があるので注意が必要です。

 

まとめ

 

台風や地震、大雨など、天災はいつ、どんな形で生活を脅かすことになるか、予想できないものです。マイカーをお持ちの方であれば、非常時の避難場所として有効活用することを常に念頭に置いておきましょう。いざという時に備えて、車内に最低限必要な食料品や飲料水などを備蓄しておくのもおすすめです。

ひとつ気をつけておきたいのが、ハイブリッドでも通常のエンジン車でも同じく、ガソリンがなくなったら発電はおろか、走ることすらできないということ。そういう意味ではガソリンを携行缶などに常時備蓄しておくのも、いいかもしれません。ただし個人によるガソリン備蓄は、十二分な安全管理が必要です。また備蓄量が一定量を超えると届け出が必要になる場合があります。単価としては非常に割高になりますが、市販されている「ガソリンの缶詰」はなかなか便利。3年間も保存が可能で軽油、ハイオクといった種類もちゃんと用意されているのです。いずれも事前の防災対策をしっかり行っておくと、いざというときに役立ちますよ。

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