寒すぎず暑すぎず、比較的天候が安定していて空気が澄んでくる秋は、星空鑑賞を楽しむのに最適な季節です。とくに人工の灯りが目に入らず海抜が高め、しかも道路が整備されていて自動車などでもアクセスしやすい高原地域は、夜空を彩る星々の光が美しく、くっきり見える場所として人気です。
そこで今回は、ドライブがてら訪れてみたい星空自慢のスポットを、厳選してご紹介。秋の星空鑑賞で注意しておきたい点などもまとめてお伝えします。
多彩な星空スポットが集まる八ヶ岳エリア
山梨県と長野県の県境を跨る八ヶ岳連峰の麓には、星空鑑賞に最適な3つのエリアが連なっています。入笠山、西岳などに囲まれた富士見高原周辺の原村・富士見町エリアや、一度は乗って見たい小海線沿いの小渕沢・大泉エリアなど、ほんのちょっと足を伸ばせば、星降る夜空が一面を覆う別世界に行くことができます。
とくにドライブを兼ねて訪れるのにオススメなのが、清里・野辺山エリア。たとえば「清里丘の公園」なら、家族とキャンプを楽しみながらの星空鑑賞もできますし、露天風呂のある温浴施設も隣接しているので、身体も心もホカホカに暖まれる場所です。
この八ヶ岳エリアでは、毎晩、ホテルごとに観望会を開いている施設もいくつかあります。日本屈指の星空鑑賞の名スポットとして知られる野辺山高原にある八ヶ岳グレイスホテルでは、隣接する広大な広場で、「星ソムリエ」の資格を持つスタッフがとてもわかりやすく星の魅力を語ってくれますよ。
八ヶ岳グレイスホテル
ホームページ:https://www.y-grace.com
さらに注目は、大型望遠鏡を備えた天体ドームなど、観測施設を持つホテル。清里高原ホテルやRoyal Hotel八ヶ岳では毎日のように観望会が開かれています。専用の展望デッキなどもあるうえ、とても気軽に星空鑑賞を楽しむことができます。
・清里高原ホテル
ホームページ:http://kiyosato.izumigo.co.jp
・Royal Hotel八ヶ岳
https://www.daiwaresort.jp/yatsugadake/index.html
日本一星空が美しい町、阿智村に行く旅
星空見学ツアーで今、もっともポピュラーなスポットのひとつと言えるのが、長野県下伊那郡阿智村です。村のほとんどが恵那山の東エリアに集まっており、その山あいには6,000人ほどの人々が住んでいます。
この村が星空鑑賞の名所として一躍有名になったのは、2006年のこと。環境省がこの村を、日本一星の観測に適した場所として認めたのがきっかけでした。現在では「日本一の星空」を商標登録して村おこしに活用し、国内外からツアー客がひっきりなしに訪れています。
阿智村エリア内には、格好の星空鑑賞スポットがいくつか点在しています。とくに人気があるのが、富士見台高原にあるスキー場「ヘブンスそのはら」のゴンドラを使ったナイトツアー。全長約2.5kmのゴンドラで標高1400m地点まで上がれば、まさに「星に手が届きそう」です!
・天空の楽園 日本一の星空ツアー
ホームページ:http://sva.jp
2018年7月には、標高1,200mの山あいに、さらに濃密に星空に親しんでもらうことをテーマにした体験型施設「浪合パーク」をオープン。こちらはより本格的な天体観測できる施設が整備されているほか、宇宙にまつわる好奇心を刺激してくれるさまざまなイベントなどが開催されています。星空鑑賞のためのハンモック、星空チェア、薪火、星空デッキなど、星を見るための設備が各種揃っているのもポイント。浪合パークなら、エンタメとしての星空鑑賞だけでなく、星空写真撮影のノウハウを学ぶスクールなど、さまざまな視点で星の楽しみ方を体験することができます。
能登半島から石川県、富山県に点在する星空鑑賞スポットハシゴツアー!
日本海側に突き出ている能登半島は、恵まれた里山里海の大自然と人々の生活の中で受け継がれた伝統が、今も静かに息づいている地域です。能登を中心に石川、富山の北陸地方には、星空ファンを惹きつけてやまない天体観測スポットが盛りだくさん。
観測ポイントに適した海や山にもとても近いので、アウトドアレジャーも兼ねてアクティブに星空鑑賞を楽しむには、うってつけのエリアと言えそうです。また「星の観察館 満点星」をはじめ宇宙にまつわる施設も充実していますので、家族で楽しむ場所としてもピッタリですね。
◎富山・石川エリアの星空鑑賞スポット
・石川県能登町「石川県柳田 星の観察館 満点星」
ホームページ:http://mantenboshi.jp/
・石川県羽咋市「コスモアイル羽咋(はくい)」
ホームページ:http://www.hakui.ne.jp/ufo/
・石川県金沢市「キゴ山天体観測センター」
ホームページ:https://www4.city.kanazawa.lg.jp/39059/
晩夏から秋の星空見物は、ことさら寒さに注意!
都会の季節感で考えると、秋はとても過ごしやすく爽やかな季節だと感じるはず。ただし、星空鑑賞に適した高原地域は標高が高く、とくに夜間は平地よりも厳しい寒さを覚悟しなければなりません。雨が降らなくても夜露で地面が濡れてくるので、寒さ避けも兼ねた防水マットは必需品です。もしもトランクに余裕があるなら、寝袋や毛布も一緒に持っていくといいでしょう。
星空鑑賞は、深夜から早朝にかかることもあります。とくに明け方ごろは気温がググッと下がり、足の先から凍りそうな冷えに襲われることも珍しいことではありません。ですから夜、出かける時はそれほど寒くないように感じられても、真冬並みの防寒装備はしっかり準備しておきましょう。
もう一点、注意しておきたいのが、山深い林間の道路を走る時に飛び出してくる動物たちです。とくに鹿には要注意。身体が大きく体重も重いので、自動車にぶつかると驚くほど大きなダメージを受ける可能性があります。夜間の運転は、慎重の上に慎重を期して、安全運転でいきましょうね。
2019年9月から見頃の流星群情報
2019年は例年と比べ、流星群をはじめとする天体ショーの規模はやや大人しめとのこと。流星群で流れる星の数も、控えめなものが多いと予想されています。そんな中、極大日(もっともたくさんの流れ星が観測できると予想される日)に、多くの流れ星が目撃されそうな5つの流星群をピックアップしました。
ひとつ注意しておきたいのが、ピーク時の天気と月齢の関係です。星の瞬きはとても光が淡いので、月の光が強くなっていると目視が少し難しくなる可能性もあります。
◎8月からの2019年・主要流星群カレンダー
・8月 ペルセウス座流星群 (ピーク:8月13日16時頃)
・10月 10月りゅう座流星群(ピーク:10月9日15時頃)
・10月 オリオン座流星群(ピーク:10月22日8時頃)
・11月 おうし座流星群(ピーク:11月6日南群/13日北群)
・12月 ふたご座流星群(ピーク:12月15日4時頃)
参考)流星電波観測国際プロジェクト
http://www.amro-net.jp/meteor-info/meteor_2019.html
まとめ
都会ではなかなかお目にかかることのできない「満天の星」は、多少寒くても眠くても、一見の価値ありです。天体観測初心者の方は、初めはホテル主催の観望会から体験してみましょう。そこから少しずつ、本格的なアウトドアで星空鑑賞ドライブに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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