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AT車なのにまさかのエンスト…!? 原因別の症状と対処法

AT車なのにまさかのエンスト…!? 原因別の症状と対処法

免許取得後にマニュアル車(MT車)に乗っていたことがある方なら、エンジンが何らかの原因で急停止するエンストを一度は経験したことがあるのではないでしょうか。エンストするのはMT車だけだと思われがちですが、オートマ車(AT車)でも起きる可能性は0ではありません。ふとしたときに突然のガクンという衝撃とエンジンの急停止が起きるとパニックになりますし、万が一、走行中にエンストを起こして対処を誤ってしまうと、他車を巻き込んだ事故に繋がる可能性もあります。

今回は、エンストとはそもそもどういう状態なのかを解説したうえで、AT車でエンストが発生する原因・症状と、ケース別の正しい対処法について詳しく解説します。もしもの事態が起きたら、即、この記事を読んで対処ください!

 

同じエンストでも、MT車とAT車では原因が違う!

エンストとは、ドライバーの意図でエンジンを停止させるエンジン・ストップではなく、徐々に勢いを失って停止するという意味を持つ、「エンジン・ストール」の略称です。

MT車のエンストは、半クラッチの時間が足りていない・急激なシフトのUP・DOWNキチンとギアが入り切っていないなど、ドライバーの操作ミスによって発生します。そのため、道路上でエンストすると、操作ミスしたことが周りに知られて少々恥ずかしい思いをしますがそれだけでなく、ドライバーや同乗者に強い衝撃が伝わってむち打ちなどの怪我を負ってしまう可能性も。外的な面では、急停止によって後続車から追突される恐れや、坂道発進時のエンストでは後続車にぶつかってしまうリスクも高くなります。

一方クラッチがなく、走行中にシフト操作の必要がないAT車のエンストは、ドライバーの操作ミスではなくエンジンの不具合が原因です。燃料系・吸気系・燃焼系のいずれかにおいて、なんらかのトラブルが発生している可能性が高くなります。

 

発進時にAT車がエンストする原因と症状

AT車に乗り込んでエンジンをかけ、発進するためにPレンジやNレンジから、Dレンジに入れた途端エンストした場合、アイドリングの回転数不足が原因として考えられます。AT車には必ずと言っていいほど、エンジンの動力(トルク)を変速機へ伝える「トルクコンバータ(トルコン)」という部品がついていますが、シフトをDレンジに入れるとトルコン側からエンジン側に、かなり強い負荷がかかります。この時、アイドリングが低すぎるとエンジン側がトルコンからの負荷に耐え切れず、エンストを起こしてしまうのです。

発進時にエンストを引き起こす原因となるアイドリング回転数不足の症状は、停車時のエアコンの効きが悪い(ただし走行中は好調)、アイドリング時の振動・ガタゴト音が大きくなったなどがありますので、何れかを感じたら注意をしてください。

走行中にAT車がエンストする原因と症状

走行中にAT車がエンストする原因はいくつかありますが、いずれも重大な不具合を車が抱えているケースがほとんどです。ここでは原因別に主だった症状をお伝えしましょう。

1、燃料の誤給油

ガソリン車に軽油を、またはディーゼル車にガソリンを誤給油してしまうと、タンクの残量が多くごく微量の給油でもない限り、確実にエンストします。

誤給油によるエンストはたちが悪く、燃料タンクがほとんど空の状態で給油してしまうと、その場でエンジンがかからないケースも。ただし、ガソリンスタンドの整備士が対処してくれることもありますので、車に重大なダメージが残る心配はありません。しかし、燃料が一定量残っているうえでの給油は、じわじわと2つの燃料が混ざり、エンストするまでに時間がかかります。最悪の場合、エンストした時には取り返しがつかないほど、エンジン全体が故障してしまっていることもあります。

誤給油をした車で走行していると、加速が鈍くなる&パワーが落ちる・エンジンから異音&ガタガタと振動がある・マフラーから大量の黒煙or白煙が上がるといった症状が段階的に出始めます。ですので、いずれかを見つけたら即座にスピード落とし安全な場所へ停車し、ハザードを付けてからエンジンをオフにしましょう。そうしたら車から離れ、JAFなどに救援を依頼してください。

2、吸気系の不具合

自動車は燃料と酸素を混ぜ合わせ、ガソリン車なら点火プラグ、ディーゼル車なら圧縮による自然発火で爆発力を得て、それを回転力に変換することで走行しています。ですので、私たち人間と同様に車のエンジンも空気を吸えなくなると、瞬時に機能が停止、つまりエンストを起こしてしまうのです。そのため、ヒトの体の肺にあたるインテックマニホールド(通称インマニ)などで構成される、吸気系の役目は非常に重要です。

頑丈な素材でできているインマニは故障しにくくなっていますが、空気をインマニへ運ぶゴム製のエアホースは、経年劣化によってひび割れしやすいパーツです。走行中の急なエンストで、エンジンルームから「シュー」という空気が抜けるような音がしたら、エアホースからの大量にエア漏れし、酸素量が極端に減少したことが原因だと考えられます。また、吸気系には細かいパーツも多く、次のいずれかに不具合が生じた時もエンストする可能性があります。

1、空気量を調整する「スロットルバルブ」
2、シリンダーへ空気を導入・密閉する「吸気バルブ」
3、空気量を測定する「エアフローセンサ」

1と2は構造的に単純であるため、簡単には故障せず、少々動きが悪い程度ではエンストにまで至りません。3に至っては完全に機能停止しても、エンジン自体は停止しないことが多いため、素人目で判断できるような明確な前兆がありません。とはいえ、エンストにまで至らなくとも、急な燃費の悪化やノッキングの増加、減速時のエンジンチェックランプ点灯などがあった場合は、細かい吸気系パーツにトラブルが発生している可能性がありますので、ディーラーや修理工場などで点検を受けるようにしましょう。

3、燃料系の故障

車が突然ガクガクとした動きをした後、徐々にスピードを落ちてエンストした場合は、燃料ポンプの故障や燃料フィルター・ホース・噴射ノズルの目詰まり、燃料制御センサの不具合が原因であるケースが考えられます。

車にとって血液ともいえる燃料をエンジンに届ける燃料ポンプは非常に頑丈に作られていますので、完全な故障・機能停止にならないことがほとんどです。たとえエンストしても、時間が経てば問題なくエンジンがかかることもあります。ちなみに、カーブや坂道など、特定の場所でなぜかエンストするという症状を聞いた場合、プロの整備士は一番に燃料ポンプに故障・不具合がないかチェックします。

一方、燃料フィルター・ホース・噴射ノズルの目詰まりは比較的発生しやすいトラブルで、こちらも時間が経過すれば、再走行が可能になることもありますが、人間に例えると「動脈硬化」が進行しているのと同じ症状です。車の場合は、新品に交換することでリセットできますし、燃料ポンプ故障の予防にもつながるので、法定点検などで不具合の可能性を指摘された時は迷わずに交換・修理を依頼してください。

なお、燃料制御センサについてですが、加速しようとアクセルを強く踏み込んだ時エンストする場合は、燃料噴射量をコントロールしているセンサーが、故障や不具合を起こしていると考えられ、反対にアクセルから足を離すとエンストしてしまう場合は、スロットルバルブのコントロールを行っているバキュームセンサーがそれぞれ故障や不具合を起こしている可能性が高くなります。

4、点火系のトラブル

車のエンジンは、「吸気・圧縮・燃焼(爆発)・排気」という、4サイクルを繰り返すことで走行しますが、なかでも燃焼に不具合があると即時エンジンが停止し、エンストを引き起こします。

とはいえ、近年販売されている車は最低でも4気筒エンジンを搭載していますし、大型SUVやスポーツカーであれば8気筒や12気筒といった多気筒エンジンを搭載しているため、1気筒で燃焼がストップしても、即座にエンストするという訳ではありません。しかし、現在国内で主力となっている4気筒エンジンの場合は、1気筒停止しただけでもパワーや加速性が大幅に落ちますので、違和感を感じた時はすぐに車を持ち込み、点火状況をチェックしてもらいましょう。

また、点火系の不具合・故障によるエンストは、スパークを起こすための原動力となる電気が点火プラグまで届いていない可能性も否定できません。走行中に、何の前兆もなくストンと静かにエンストした場合、点火系と関係の深い電気伝達系パーツに何らかの不具合が生じている可能性を疑ってください。エンスト後に再始動してエンジンがかかり、走行ができたら、原因としてプラグコードなどからのリークが考えられます。再始動しても全くセルが回らない場合は、オルタネーターを始めとする発電系統に重大な不具合が出ている可能性もあります。

AT車がエンストした時の対処法は・・

前述したように、発進時のエンストはアイドリングの回転不足が主な原因であることが多く、大抵はディーラーや修理工場などに持ち込んで適正値に調整してもらうことですんなりと解決します。しかし、適正値である700~1,000rpmに調整したにもかかわらずエンストが頻発する時や、一時的に症状が収まってもすぐに回転数が落ちてしまう時は、他所に不具合を抱えているケースが考えられます。

アイドリング調整は工具さえあればわりと簡単にできるため、自分の手で乗り切ることもできますが、調整してもエンストする場合は、JAFや自動車保険のロードサービスに連絡を取り、修理工場やディーラーで点検・修理をしましょう。

また、快走していたAT車が突然エンストを起こしてしまうと、初心者だけでなくベテランドライバーでも慌ててしまうものです。パワーステアリングやブレーキブースターはエンジンからの補助力によって作動しているため、走行中にエンジンが停止するとハンドルやブレーキが重くなり、正確な車両操作が困難になります。この場合、慌てずにいつもより強い力でハンドルを切り、道路端などに寄せたら目一杯ブレーキペダルを踏んで、まずはとにかく停車させてください。

安全な場所に停車できたら、ハザードを点灯して一旦シフトをPレンジに入れ、一呼吸置いてから、エンジンの再始動を試みてください。燃料ポンプや発電系統に致命的なダメージがない限り、案外あっさりと再始動する場合があります。ですが、ひとたびエンストした車はまたいつエンジン停止するかわかりませんので、ドライブの続行は控えてください。再始動後はより安全な駐車場に移動して、JAFなどにレッカー移動を要請し、行きつけのディーラーや修理工場でプロによる点検と交換・修理をしてもらいましょう。

 

まとめ

国内におけるAT車の普及率は99%以上に達しており、AT限定免許の取得率も6割強に上るため、1度もエンストを経験したことがないドライバーも増えています。

複雑なシフト・クラッチ操作がなく、誰でも簡単にドライブを楽しめるAT車ですが、不意にエンストしてしまう可能性があることを忘れ内容にしてください。万が一、エンストが起きたとしても落ち着いてこの記事で解説した対処法を思い出してくださいね。

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