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便利な機能を使いこなそう!「ACC」をスマートに活用する方法

便利な機能を使いこなそう!「ACC」をスマートに活用する方法

2020年には、人間が運転せずとも安全を保ちながら自動で走行する「自動運転」が実用化されるだろうといわれています。「まだまだ先の話じゃないの?」と思われるかもしれませんが、実はすでに自動運転の“一部”を実感できる機能が多くの車に搭載されているのです。

それがACC(Adaptive Cruise Control:アダプティブ・クルーズ・コントロール)と呼ばれるシステム。高速道路や自動車専用道路で利用すれば、ほぼ「車任せ」という感覚で運転できるほど進化を遂げています。とくに高速道路を使って遠くに出かける時には、その効果は絶大だとか。

そこで今回は、スマートで安全にACCを使いこなすための基礎知識とワンポイントアドバイスをわかりやすくご説明します。せっかくの便利機能ですので、車にACCが搭載されているなら、しっかり有効活用をしてくださいね。

 

ACCはクルーズコントロールと何が違うの?

ACCは一定速度で道路を走り続けるために自動的にアクセル開度やブレーキングなどを制御する機能です。その最たる特徴は、前方の車の速度が遅くて追いついてしまったり、別の車が割り込んできたりした時に、車が自動的にスピードを落としてくれるというところ。

クルーズコントロールも、あらかじめ一定のスピードをセットしておけば、基本的にそのスピードで走行しますが、同じような機能を持ち合わせてはいません。従来のクルーズコントロールはスピードを維持しようとしますが、ACCはしっかり流れに合わせてブレーキをかけてくれることが大きな違いです。

ACCで維持する車間距離は、決められた範囲で自分好みに設定することができるため、前の車との程よい車間距離を保ったままストレスのないペースで走り続けることができます。

大きな変化のない道を直線の道を一般道以上の速度で走り続けなくてはならないため、高速道路を一定のスピードで走るのは、疲労も蓄積しやすく、意外と難しいものです。ドライバーは周りの車と自分の運転する車に気を使いながら、速度を保ち続けることになりますが、自動的に速度を制御するACCを活用できれば、ドライバーの負担が軽減します。そして利用によって、副次的に事故の減少や渋滞の緩和、環境性能の向上などさまざまなメリットが期待できるそうです。

 

メーカーごとに違うACC のこと

①操作の違い

ACCにはメーカーによって、前方と周囲の状況を確認するためのセンサーの方式(カメラやミリ波レーダー)、操作方法、対応する速度域などに細かい違いがあります。利用する前は、必ずお手持ちの取り扱い説明書を確認してください。

一般的なACCの作動は、次のふたつの動作で完結します。
① ACCの作動スイッチをオン。(この時、ACCはまだ動作していません。)
② 上限の速度をセットします。セットが完了して初めてコントロールされるようになります。

この後は、レバーやスイッチを使って上限の速度を上げたり下げたり、前の車との車間を広げたり狭めたりしながら、交通状況に合わせて調整することも可能です。設定の解除は、キャンセルスイッチを押す、またはほとんどの車種がブレーキを踏んだときに解除されます。再び走り始めて、もう一度同じ速度でクルージングする場合には、RESET(リセット)スイッチを使うだけです。

操作系のレイアウトはACCスイッチのアイコンこそ共通しているものの、速度調整も車間距離調整もスイッチ・パドル・レバーなど、多彩なスタイルがあります。調整代も入力によって1km/hから10km/h刻みまであるので、初めて利用する時は少し混乱してしまうかもしれません。自家用車であれば問題はありませんが、出先でACC付きのレンタカーを借りた時などは、事前に操作周りを確認して利用しましょう。どこにスイッチがついているのか、どうやって設定を変えるのか、といった点を事前にスタッフに確認しておきましょう。

 

 ②作動速度

各メーカーのACCの違いとして一番気をつけなければいけないのが作動状況です。今まではほとんどの国産メーカーが115km/hを上限スピードとしていましたが、最近では徐々に「上限の撤廃」をカタログで明記する車も増えています。このように記載されている場合、設定最高速度はリミッターによる速度規制上限の180km/h程度だと考えられます。ただし、カタログに明記されていないことも多く、取扱説明書を見ても判然としないケースも。

また、同じメーカーであっても上限速度に違いがあります。たとえば、スバルでは車種によってメーター読み114km/hから135km/hまで、設定できる上限速度に違いの幅があるのです。

上限速度と同じく、下限速度の設定にも注意が必要です。完全停止までサポートしてくれるも車種もありますが、30〜40km/h程度にまで速度が落ちると、作動が解除されるシステムも少なくはありません。また完全停止に対応している車には、一定時間内であれば前方の車が走り出すのに合わせて自動的に再スタートしてくれる場合と、ドライバーがアクセルを踏み直さなくてはならない場合の二パターンがあります。

国内では、ほとんどの道路制限速度が100km/h以下ですので、上限が高くてもメリットはあまり感じられないかもしれません。とはいえ、新東名高速道路などでは一部で実験的に120km/hを法定速度に定めているケースもあります。そのため、今後は上限設定が114km/hだと走りにくいシーンがこれから増えてくるかもしれません。ちなみに輸入車の中には、200km/hを超える速度設定が可能なものもあります。

以下に、全車速追従機能付きACC設定人気車種をピックアップしました。ご参考ください!

メーカー名車名上限速度(メーター表示)
トヨタ●レーダークルーズコントロール
カムリ180km/h(リミッター作動時まで)
アルファード/ヴェルファイア180km/h(リミッター作動時まで)
ハリアー180km/h(リミッター作動時まで)
C-HR115km/h
プリウス/プリウスPHV115km/h
レクサス●レクサス レーダークルーズコントロール
LC180km/h(リミッター作動時まで)
日産●インテリジェントクルーズコントロール
エクストレイル115km/h
セレナ115km/h
リーフ115km/h
ホンダ●アダプティブクルーズコントロール
ステップワゴン(HV車)135km/h
オデッセイ(HV車)135km/h
フリード115km/h
スバル●アイサイト
レヴォーグ135km/h
WRX135km/h
XV114km/h
フォレスター114km/h
インプレッサ114km/h
三菱自動車●e-Assist
デリカ D:5115km/h
マツダ● MRCC(マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール)
アテンザ「高速域まで」(カタログ表記)
CX-3「高速域まで」(カタログ表記)
CX-5「高速域まで」(カタログ表記)
CX-8「高速域まで」(カタログ表記)

ACCが役立つ3つのシーン

ここからは、実際にACCがどんなシーンでどのようにサポートしてくれるかを紹介します。基本的には高速道路や有料道路での利用となりますが、混雑具合によって変わるベストな活用方法をお教えしましょう。

①空いている高速道路・有料道路

まずは、空いている高速道路と自動車専用道路です。国内では、制限速度が70km/hから120km/hくらいに設定されている場合がほとんどです。直線が多く、コーナーも比較的緩やかなシーンであれば、ACCをオンにしてのんびりクルージングを楽しんでもいいですね。
高速道路や有料道路は車の流れが早いので、車間設定は広めにしておくと安全です。前を走る車に追いつきそうになっても、ACCをうまく利用すれば安全な車間を保ちながら緩やかに減速してくれます。また、追い越し車線の安全を確認してからスムーズにパス、再び走行車線へ、といったスマートな追い越しも可能です。

安全を最優先して流れに乗って走るなら、追い越し時に少し強くアクセルペダルを踏んでもいいでしょう。ペダルを戻せば、自動的に元の設定速度に復帰してくれますよ。

②ちょっと渋滞している高速道路・有料道路

渋滞時はダラダラと低速で走る時間が延々と続き、肉体的にも精神的にも疲れてしまうもの。とくに祝日や週末に行楽地へ向かう高速道路では、ごくごく当たり前に見られる風景です。

そんな時こそ、ACCの恩恵が強く感じられるシーン。ただでさえ渋滞にはうんざりなのに、前の車との車間を気にしながらゆっくり慎重に速度をコントロールするストレスはそうとうなものですよね。そんなシーンでACCを利用すれば、そうしたストレスや煩わしさを軽減してくれることでしょう。渋滞中は、車間を広めにとってしまうと後続車の迷惑になる場合もあります。ですから、車間設定は短めに設定するといいでしょう。流れに合わせて適切な間隔を保ってくれる機能を利用すれば、さらに運転が楽になりますよ。

③すごく混んでいる高速道路・有料道路

ほとんど車が動かずに、時々十数km/hほどで進むか進まないかといった渋滞のシーンでは、全車速対応のACCがその先進性を発揮します。発進・停止を細かく繰り返すような場合は、自動リスタート機能が便利です。

ただし、低速走行時に動作がキャンセルされてしまうACCだと、やや役不足感を感じるかもしれません。万が一、キャンセルに気づくのが遅れてしまうと、逆に危険な場合もありますので、自分で加減速をスムーズにコントロールするようにしましょう。

 

利用を避けたいこんなシーン

ドライブのストレスを低減し、安全運転を巧みにサポートしてくれるACC。しかし、以下の3つのシーンでの利用はあまりオススメできません。

一般道

全車速対応なら街中の道路でも問題なく作動はしますが、歩行者や自転車の飛び出しなど、不意の出来事にドライバーの対処が遅れてしまう可能性があるからです。

高速道路のジャンクション

また、高速道路のジャンクションのように、急なコーナーでは速度設定を誤ると危険な速度で侵入してしまう可能性もあります。車種によっては自動的に速度を抑えてくれる機能を持ったACCもありますが、あくまでもサポートするだけですので過信は禁物です。

悪天時

前方の車との車間をカメラでセンシングしている場合、豪雨や霧、雪といった悪天時では正確に作動しない場合もあります。道路が凍結していたり、雪が積もっていたりしてタイヤのグリップに不安がある時もオフにしておく方が安心です。

 

ACCとセットで役立つ「LKA」

最近では、ドライバーをアシストするさまざまな安全運転支援機能をセットメニューで設定するメーカーが増えています。たとえば、トヨタの「セーフティセンス」。サポート機能をアイコン化することで、わかりやすい付加価値としてアピールしています。

そんなセットメニューの中にACCが含まれる場合も多いのですが、セットの中にもしもついているならぜひ活用して欲しいのがLKAです。メーカーによってその呼び名が微妙に異なりますが、一般的には「レーンキーピングアシスト」と言い、走行車線を維持しながら走るためのハンドル操作のアシスト機能です。わかりやすく言えば、直進時に車線をはみ出しそうになったらハンドルに力がかかって自動的に修正してくれたり、コーナーでは曲がり代に合わせて切り足す手助けをしてくれたりするのです。

利用の際、ドライバーはステアリングから手を離してはいけませんが、速度調整も自動でこなしてくれるACCとセットで使えば、まさに自動運転車に乗っているかのような近未来感覚を満喫することができるでしょう。賢く利用すれば、事故や運転の疲れを軽減してくれる、頼もしい味方になってくれるはずです。

 

まとめ

ACCは今後、さまざまな制御が加わる形でもっと便利に進化していくことは間違いありません。欧州では、速度標識を読み取って自動的に設定速度を合わせてくれる機能がすでに実用化されています。このような機能が一般化されていけば、速度の設定が法定速度をオーバーしていることに気づかずに走ってしまう危険を回避し、危険な事故防止に一役買ってくれることでしょう。日本でも道路標識をカメラで読み取り、その情報をメーターなどに表示する機能は使われていますが、今のところACCと連動させる機能は付加されていないようです。

さらにACCの近未来形として期待されているのが、CACC(Corperative Adaptive Cruise Control)です。コーペラティブとは「協調した」「協力した」という意味ですが、自動車の場合は車同士が通信によってつながることを意味します。つまり、道路を連なって自動的にクルージングをしている車たちが、互いに相手のアクセルやブレーキなどの操作の情報を共有することで、加速や減速という変化に素早くしかも自動的に対応することが可能になるということです。

無駄なくスムーズ、そして安全に、まるで1台の車のように複数の車たちが連なって走ることで、渋滞解消の効果も期待できるというCACC。実現すれば、より快適に、より安全に家族でドライブが楽しめるようになるはず。今から待ちきれませんね!

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