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後部座席のシートベルトは義務! 未装着によるリスクと罰則について

後部座席のシートベルトは義務! 未装着によるリスクと罰則について

「ちょっと近所に買い物に行くだけだから」「10分しかかからない場所だし、別にいいか」など、みなさんは、ちょっとした移動時であっても、きちんとシートベルトを装着しているでしょうか…?

2008年6月より、一般道・高速道路問わず、ドライバーと同乗者に対してのシートベルト装着が義務付けられていますが(道路交通法第71条の3)、出発前に後部座席に乗っている同乗者がシートベルト装着しているかを確認する人は少ないかもしれません。「近所の買い物ぐらいだから」と油断してしまいがちですが、シートベルト装着は乗員みんなの安全を守るためにも非常に重要なものです。

この記事では、後部座席のシートベルト未装着による高い危険性を解説し、改めて装着義務の重要性をご理解いただければと思います。

 

ドライバーより格段と低い後部座席シートベルトの着用率

JAFが各地の警察と共同で実施した調査によると、一般道における後部座席シートベルト装着率は「約38%」、高速道路では「約72%」でした。この結果からは、約97%が装着する運転席・助手席と比べると、かなり低水準であることがわかります。

高速道路は一般道よりスピードを出すため、安全意識がぐんと高まっていますが、いつも利用しているような、慣れ親しんだ一般道での走行時の着用率がすこぶる低く、後部座席に座っている3人に2人が装着していないことになります。

また、なぜ後部座席シートベルトを装着しないか、という聞き取り調査も過去に行われていますが、次のような回答が大半占めていました。

「習慣化していない」
「面倒・窮屈だから」
「距離が近いから」
「事故を起こしたことがないから」

これらの回答からは、日常的な運転に潜む危険性をあまり理解されていないこと、そして認識の甘さが垣間見えます。加えて、都道府県別に見てみると、平地でも積雪が多い岐阜県、新潟県、群馬県、長野県、福島県は、一般道でも装着率が5割を超え、高速道路上でも装着率が全国平均を大きく上回っていました。地域の天候による特性かもしれませんが、危険回避と被害軽減意識の高さがそのまま装着率の高さに繋がっているのかもしれません。

義務化されているにも関わらず、前述した未装着率の高さをうけた国土交通省は、各自動車メーカーに「シートベルトが見着用のまま自動車を走行した場合に警告するアラート機能を後部座席でも設定する」ことを義務付けました。この機能は、2020年9月以降に販売される乗用車と軽ワゴン車が対象になっています。こうした対策からも、後部座席のシートベルトの着用がいかに重要であるかがご理解いただけるはずです。

 

後部座席シートベルト装着の効果は被害軽減だけではない!

乗員定員に併せて設置されている後部座席シートベルトは、衝突時の安全確保と被害軽減はもちろん、旋回・停車・発進時に前後左右の揺れが生じた時に乗員を座席にホールドする役目も担っています。そのため、正しく装着すれば揺れを最小限に抑えて乗り物酔いの防止にもなりますし、しっかりホールドされるため、足腰の力が弱めな子供や高齢者にとっては長距離ドライブ時の「疲労軽減効果」も期待できるのです。

ただ、小さいお子さまの場合、体の自由を奪われるシートベルトの装着を嫌がることが多く、クズる子供に手を焼いて「近くの移動だし、少しぐらいならシートベルトをしなくてもいいか」と、ついつい装着しなかったケースも多いようです。以降で解説する未装着時のリスクを考えると、同乗者には必ず装着させるのがドライバーの使命と言えますので、絶対的な装着を意識付け習慣化させましょう。

 

未装着時に高まるリスク

乗り物酔いの予防や疲労軽減効果も望めますが、シートベルトの一番の使命と最大の効果は、万が一事の故に遭遇した際の被害軽減です。運転席や助手席での装着率は厳しい取り締まりの効果や、痛ましい事故を伝えるニュースなどによって年々高まっていますが、未装着率の高い後部座席では装着しないことでどんな事態を引き起こすのか、イメージできていない方も多いかもしれません。

ここからは、データや具体例を交えつつ、後部座席シートベルト未装着の状態で事故に遭遇した場合、どんな危険が待ち受けているのかを解説しましょう。

リスク1 未装着者の車外放出

(財)交通事故総合分析センターのデータでは、車中にいた方の死傷者死亡率(被害者総計中の死亡者割合)は1%未満ですが、車外放出の死亡率は約30%にまで達すると出ています。

後部座席でシートベルトを着用しないまま事故にあった場合、車外へ放り出されて大けがを負ったり、放り出されたため他車とにひかれたりする危険性があります。とくに、体重が軽いお子様や高齢者は車外放出のリスクがぐんと高まり、非常に危険です。

リスク2 未装着者本人の被害拡大

他車と衝突した場合、その衝撃によって体のあちこちをシートやドア、窓ガラスなどにぶつけ、重傷を負う可能性があります。頭部や胸部を強くぶつけてしまうと生命に関わることも…。この場合も、後部座席に乗る機会が多い子どもや高齢者の方が重症化するケースが多くなっています。

リスク3 前部座席者にも被害がおよぶ

これは、危険を回避しようとドライバーが急ブレーキを踏んだ、または前方の車両とぶつかった衝撃によって後部座席の乗員が前方に飛び出し、ドライバーもしくは助手席の乗員とぶつかるという被害が他者へ拡散するリスクのことです。

事故や衝撃を感知して衝撃を吸収するエアバックが作動することもありますが、エアバックと後方からぶつかってきた乗員に挟まれ、死亡事故に至った痛ましい事例もあります。側方衝突の場合は、後部座席の乗員同士による激突もあり得ますので、すべての同乗者の安全を確保するためにも、各々にシートベルトは装着すべきだと言えます。

リスク4 自動車保険の給付額が減額されるケースも

万が一の交通事故で金銭的賠償のフォローをしてくれる自動車保険。しかし、事故が重症化した原因においてシートベルト未装着が指摘された場合、賠償金が一定割合で減額される可能性もあります。

過去には、タクシーの乗車中に事故に遭遇し、衝撃で体が大きく揺れて左右のドアと激突し、大けがを負ったお客さんがいました。そして、そのお客さんが原告として、タクシー会社を相手取った損害賠償請求を起こしたケースもありましたが、裁判所は原告にも「自己責任」でシートベルトを装着する義務があったとして、過失相殺分として10%損害賠償額を減額するよう判断を下しています。(2012年12月東京地裁判例より)

その他にも後部座席シートベルト未装着による、保険会社もしくは裁判所による「損害補償額減額」の事例は多々あり、おおむね5~10%が減額(過失相殺)されています。

リスク5 シートベルト未着用だと罰則を受ける

シートベルト未装着が発覚すると、「後部座席シートベルト装着義務違反」という罰則を受けることになります。

一般道路:運転席および助手席のシートベルト着用は交番付近で取り締まりされていることも多いためか、「反則金なし・1点減点」が周知されています。後部座席については、口頭注意のみで反則金はありませんので、装着率が低い原因にもなっています。

高速道路:ドライバーと助手席は当たり前ですが、後部座席も含め、乗員全員がシートベルトをしていないと「反則金なし・1点減点」が課せられることになります。せっかく長く安全運転に努めた証としてゴールド免許を取得しても、次の更新からブルー免許に逆戻りし、長い違反講習を受講しなくてはならないのです。

 

正しく後部座席シートベルトは装着しよう!

運転席・助手席を含め、すべてのシートベルトは身長140cm以上の人を対象に設計されているため、140cm未満の子供については必ずチャイルドシートを利用してください

シートが独立している車の後部座席シートベルトは、運転席と同じ肩ベルトタイプであることも多いですが、首に近すぎる箇所で装着すると頸部を痛める恐れがあるため、鎖骨の中央から肋骨をなぞるように装着しましょう。

ベンチタイプの後部座席では腰ベルトタイプもありますが、この場合は左右の腰骨をしっかり固定するように装着し、いずれのタイプも金具が「カチッ」と音がするまでしっかり差し込んだあと、ベルトにねじれやたるみが無いか確認してください。

 

まとめ

基本でありながら、ついつい油断しがちなシートベルト。家族みんなが安心安全に車を利用するためにも、「大丈夫」ではなく「もしも事故に遭ったら」を想定して、着用を心がけてくださいね。

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