
この企画では家族とのドライブがもっと楽しくなるドライブコースをお伝えします。
岡山県といえば近畿、山陰、山陽、四国の中継地点として近年大きな発展を遂げているエリア。一口に「岡山」と言っても、とても広い都市なだけに見どころも満載。関西圏に住んでいる方なら日帰りでドライブもできますし、家族みんなが楽しめるスポットもたくさんあります。今回は、その中でも「秘境」と呼ぶのに相応しい「鬼ノ城」と、その周辺の歴史と風情を楽しめるスポットへのドライブルートをご紹介します。
鬼ノ城や吉備津神社を楽しむドライブルート「岡山歴史巡り一日コース」!
今回のゴールは岡山県総社市の鬼ノ城です。古代に建築された鬼ノ城は、車以外ではなかなか足を運ぶことが難しい場所に位置しています。その周辺には岡山県内で最も古く大きな吉備津神社、巨大な天津磐座(神を祭る岩)を有する吉備津彦神社ありますので、ドライブをしながら歴史と建物を観覧しましょう。名神高速道路をスタートしてから新名神、山陽高速道路と乗り継ぎ、鬼ノ城を目指します!
今回のルート
「京都」→「宝塚SA」 →「吉備津彦神社」→「吉備津神社」→「備中高松城址公園」→「鬼ノ城」
京都からいざ出発!
出発地点は京都です。古都・京都も歴史のある素晴らしい観光地ではありますが、今回は出発ということで京都を楽しむのはまたの機会に…。まずは京都南インターから名神高速道路に乗り込みますが、初めのポイントは高槻JCTです。長らく建設中だった新名神高速道路の高槻~川西区間が2017年12月10日に完成しました。新しい高速道路とあって綺麗な路面はガタガタ揺れることも少ないので小さなお子様の負担も少ないはず。
トンネルもありますが、山間部ルートはまさに絶景です。そこで、お子様が退屈モードに入ってしまった時に是非立ち寄りたいのが宝塚北サービスエリア(SA)です。
宝塚SAは西日本最大級の広さで見どころいっぱい!!
宝塚SAは新名神高速道路の開通に合わせて建てられたため、新しくとっても綺麗なSAです。店舗面積も駐車場台数も西日本では最大なのだとか。総工費はなんと40億円と、気合が入っています。今の時代に合わせ、電気自動車の充電施設やイベント広場、さらにはドッグランもあり、施設としても非常に充実しています。
SAではありますが、南ヨーロッパの景観を思わせる「宝塚モダン」がコンセプトなので、明るく華やかです。ちょっと休憩、だけではもったいないぐらい、おしゃれで心地よいスポットです。
トイレ休憩に、吉備SAには寄っておこう
宝塚SAを後にして、しばらく道なりに走ります。新しい道路が開通したおかげで、新名神自動車道と中国自動車道の利用者が分散するため、お出かけする日によっては渋滞リスクも回避できるかもしれません。今回のドライブですが、出口はICではなく、吉備SAから降りることになります。
サービスエリアから直接高速に出入りできるスマートICは、なかなか新鮮です。高速道路を降りると、お手洗いの場所の確保が難しくなるので吉備SAを出る前に利用しておきましょう。
吉備SAを降りて国道180号線を南下し、楢津東の交差点を右折します。しばらく走ると「吉備津彦神社」の看板が見えるのでそちらを左折すると、はじめの目的地、吉備津彦神社が待っています。駐車場は100台ほどのスペースあり、無料で利用することができます。
桃太郎さんがいる、吉備津彦神社
吉備津彦神社の祭神は桃太郎のモデルとされている大吉備津彦命。第7代孝霊天皇の皇子で吉備を平定したことでも知られています。推古天皇の時代に創建されたとされていますが、書物にその名前が確認されたのは平安時代初期。
その後は戦国時代に戦乱の中で焼失してしまったものの、江戸時代に姫路藩主の池田氏によって本社が造営されました。国、岡山県、岡山市指定の重要文化財が多く残されている神秘的な神社は、家族みんなでその雰囲気を味わって欲しい由緒ある神社です。
【施設情報】
吉備津彦神社
住所:岡山県岡山市北区一之宮1043
電話番号:086-284-0031
http://www.kibitsuhiko.or.jp
ここから吉備津神社までは車で10分もかからない距離にありますが、ゆったりとした道で走行したいなら国道180号線がオススメです。地図を見ると内側にある道路からもアクセスができますが、この道はとても狭いので軽自動車でもすれ違う際には相当気を使います。
交通量の多い土日祝日であれば、なかなか前に進めなかったり、譲ることが難しい場所でのすれ違いに遭遇したりすることがあるので、国道180号線からアクセスした方が安心です。遠回りに見えるかもしれませんが、実際には数分も変わりません。ちなみに吉備津神社の駐車場も無料で利用できるのでご安心下さい。
荘厳な佇まいの吉備津神社へ
岡山県岡山市にある山陽道屈指の大社、吉備津神社は、近年、SNS映えするスポットとしても人気です。全長およそ400mの木製の廻廊は、神聖かつ幻想的。坂道の上を曲線で描かれている廻廊はなかなか見かけることがありませんので、是非とも歴史を感じながら家族みんなで歩いてみてください。
吉備津神社は、吉備津彦神社と同じように、大吉備津彦命を祭っている神社で平安時代にはその名前が登場する由緒ある神社です。現存する本殿は室町時代3代目将軍・足利義満が造営を開始したという歴史のあるもの。
本殿の大きさは出雲大社や八坂神社本殿に勝るとも劣らず、国宝や重要文化財に指定されています。吉備津造りと呼ばれる独特の建築方法もじっくり堪能してくださいね。
【施設情報】
吉備津神社
住所:岡山県岡山市北区吉備津931
電話番号:086-287-4111
http://www.kibitujinja.com
鬼ノ城への道のりは・・
京都から吉備津彦神社までは高速道路と整備された道路を走りました。しかし鬼ノ城までのルートはまさに「秘境」と言えるもの。
吉備津神社を出たら国道180号線を東に進み、小山交差点を右折。そこからは国道429号線を走ることになりますが、実はここにひとつポイントがあります。歴史が好きなご家族であれば、この途中にある備中高松城跡に立ち寄るのもオススメ。
ここは、織田信長が明智光秀に討たれた「本能寺の変」が起きた時、豊臣秀吉が毛利軍と戦っていた最前線の地。ここで織田軍として戦っていた豊臣秀吉が、毛利軍と対峙していた時に本能寺の変が起きたと知り、急いで京都に戻って明智光秀を討ち、後に天下統一を果たしました。歴史マニアにとっては垂涎の場所と言えるでしょう。
豊臣秀吉の陣跡もありますが、現在はあくまでも公園として整備されています。少し休憩を取ったり、歴史の話に花を咲かせたりするために訪れてみてもいいでしょう。
【施設情報】
備中高松城址公園
住所:岡山県岡山市北区高松558-2
電話番号:086-287-5554
無料駐車場あり
https://okayama-kanko.net/sightseeing/sightseeing_area.php?id=24
国道429号線から国道271号線、そして鬼ノ城へ
国道429号線沿いにはいくつかお店もありますが、国道271号線に入ると一変、のどかな雰囲気が広がります。決して広くはない道を入っていくと、総社市砂川公園管理事務所が見えてきますが、目的地はここからさらに先の場所です。ここからは道も狭くなり、さらには電柱も見当たらなくなるなど、「秘境」の雰囲気が漂い始めます。途中から、道路と呼んで良いのかさえ分からないような狭い道が続き、「とにかく車とすれ違わないように」と願うばかり。そしてようやく建物が見えたら、そこが今回のメインとなる目的地です。
まずは鬼ノ城が建てられた経緯や歴史を知るために、歴史資料館へ足を踏み入れてみましょう。駐車場からは徒歩で、山道を登ります。少し疲れるかもしれませんが、眺望は最高です。途中に展望台があるので撮影スポットとして立ち寄ってみましょう。
鬼ノ城は戦国時代ではなく、7世紀の後半に建てられたとされるお城です。
白村江の戦いにて敗北した大和朝廷は、朝鮮半島からの侵攻に備えて口内にいくつかのお城を建てました。鬼ノ城はその一つで、現代人でも足を運ぶのがやっとの場所に多くの石が積まれている光景、そして麓を一望できる景色も含め、きっと「ここに来てよかった」と思えることでしょう。
空中散歩の気分が味わえる石畳の上は、足元に注意しながら歩いてくださいね。圧倒的なスケールは、他のお城に引けを取りません。まだまだ謎多き城ですが、ロマンにあふれた自然豊かなスポットです。
【施設情報】
鬼ノ城
住所:岡山県総社市黒尾1101-2
電話番号:0866-92-1211
http://www.city.soja.okayama.jp/kanko_project/kanko/kannkou_bunnka/kankouti/kinojyo/kinojo.html
まとめ
少し長い距離のドライブですし、決して「物凄く有名なスポット」ではないかもしれませんが、だからこそ味のあるドライブが楽しめます。どの場所もそれぞれ由緒や見どころがありますので、訪れた先々で家族に大きな感動をもたらしてくれことでしょう。