家族で利用するマイカーを選ぶとき、経済性と安全性を重視する方は少なくないはず。価格が安くて使い勝手がよく、低燃費、それでいて安全性も高くて…。
これらのメリットをすべて兼ね備えているのでれば、車選びで迷うことはないかもしれませんね。近年は、「小さいお子様がいるご家庭でも、高齢のご両親がいるご家庭にも使いやすくて安全、安心できるファミリーカー」として、コンパクトカーが根強い人気を誇っています。
この記事では、経済性と安全性を重視しつつ、ファミリーカーにぴったりのコンパクトカー選びのポイント、そしてオススメの車種をご紹介します!
イマドキのコンパクトカー選びに欠かせない条件とは?
コンパクトカーは、その名のとおり程よいサイズ感で小回りがきくため、狭い道でも走りやすいのが魅力。女性も男性も、高齢の両親も、比較的、誰もが運転をしやすく扱いやすい車と言えるでしょう。
また、見た目がコンパクトなのに、室内空間は広々としていて大人も子供も快適に過ごすことができるのも大きなポイントです。カラフルでデザイン性も豊かな車種も豊富で、車選びの際も楽しめます。
新たに車を購入する時は、購入費はもちろん、年間にかかる維持費も考慮して長期的な目でお財布に優しいかどうかを基準に選ぶ方も多いはず。また、お子さまやご両親を乗せるならば安全性能も高い方がいいですよね。
そこで今回コンパクトカーにプラスαの要素として着目したい条件が「ハイブリッドカー」× 「サポカー」の組み合わせ。ファミリーカーにとって大事な経済性と安全性、両方の要素を兼ね備えているからです。
「ハイブリッドカー」は電気の力を借りて長期的にガソリン代を節約してくれますし、「サポカー」は、メーカー自慢の先進的な安全装備で運転をサポートしてくれます。近年販売されている新車は、基本的にこれらの機能を備えていますので、イマドキのコンパクトカー選びに欠かせない基準=スタンダードになりつつあると言えるかもしれません。
ハイブリッドカー3つのメリット
ここではハイブリッドカーとサポカー、それぞれのメリットを見ていきましょう。
一般的にハイブリッドカーとは、ガソリンで動くエンジンと電気で動くモーター、両方の力で走る車のことを言います。モーターは主にバッテリーに貯めた電気を使うので、ガソリンは必要ありません。そのモーターの力とエンジンの力をバランスよく組み合わせることで、できるだけガソリンを無駄遣いしないように走らせる=燃費を良くすることができるのです。さらに次のような3つのメリットも備えています。
1.長期的に見て大きな節約ができる
燃費の良し悪しを判断する基準のひとつとして一般的に知られているのが、「JC08モード燃費」。これは、国土交通省が定めた走り方でガソリン1ℓあたり何km走ることができるかを計測したもので、燃費の良し悪しを知る数値としてもっともわかりやすい基準です。そうしたJC08モード燃費をもとに、ホンダの人気コンパクトミニバン「フリード」を例にとって、ハイブリッドカーがどのくらい経済的かを試算してみましょう。
★月間平均1000km走行×5年分のガソリン代試算(参考)
ホンダ フリード
Hybrid G Honda SENSING FF 6人乗り(ハイブリッドグレード)
月間平均走行距離:1000km÷JC08モード燃費:27.2km=月間消費燃料量:36.8ℓ×60カ月(5年)×ガソリン代(目安)160円=352,941円
G Honda SENSING FF 6人乗り(通常グレード)
月間平均走行距離:1000km÷JC08モード燃費:19.0km=月間消費燃料量:52.6ℓ×60カ月(5年)×ガソリン代(目安)160円=505,263円
燃費数値は、あくまで国土交通省が定めた基準どおりに走った場合のものなので、私たちが普段走る時の状態とは違ってきます。それでもすでに8.2kmもの差が出ているので、ハイブリッドカーの方がガソリン代の節約に一役買ってくれることがお分かりいただけるかもしれません。
フリード(6人乗り/FF車)で毎月平均500kmを走る場合、ガソリンの消費量はハイブリッドモデルが約18.4ℓ、ガソリンモデルが約26.3ℓで、その差は約8ℓです。2018年10月に発表された経済産業省の調査によるレギュラーガソリンの全国平均価格は160円ですので、単純計算だと1ヵ月に約1,280円、年間では15,360円の差がつくことになります。大した節約ではないように思えますが、走る距離が伸びればその分差は広がって行きます。たとえば月1,000km走るなら年間で約3万越え、そして5年乗り続ければ約15万円ほどの違いが生まれるので、お財布を考慮すればやっぱりハイブリッドカーの方が優しいと言えるでしょう。
2.モーターだけで走ると、驚くほど静か
多くのハイブリッドモデルには、「EVモード」と呼ばれる機能がついています。このモードに切り替えると、エンジンは完全に停まった状態で、モーターだけで走ることになります。車によってモーターだけで走れるスピードは違いますが、エンジンが停まっている状態では、当然モーターの音しかしません。その静かさは、ガソリンを燃焼させて動くエンジンとはまさに別世界。小さなお子様がいらっしゃるご家庭であれば、お子様が安心してお眠りモードに入れますね。
3.キビキビと元気に走行できる
ハイブリッドモデルのモーターは、エンジンが燃料を無駄遣いしがちな時にサポートしてくれる働きがあります。その恩恵がはっきり感じられるのが、信号待ちなどで停止した状態から走行をスタートさせる瞬間です。
コンパクトカーでポピュラーなエンジンは排気量が小さいため、どうしても力不足だと感じることも…。とくに走り出しでは少しもたついてしまう感覚が拭えません。ところが、ハイブリッドモデルのモーターは動き初めからとても強い力を発揮してくれる特性があるので、気持ちよく元気に走り出すことができます。
実は、力強い走り出しは燃料の節約にも役立ちます。アクセルペダルを深く踏み込まなくても十分に加速してくれるので、結果的にガソリンを節約することにもつながるのです。
サポカー3つのメリット
「サポカー」とは「セーフティ・サポート・カー」の愛称です。「ぶつからない車」で知られた自動ブレーキなど、さまざまな安全性を高める機能を備えたクルマのことを言い、「サポカー」と「サポカーS」の2種に分けられます。サポカーSはさらに「ベーシック」と「ベーシック+」、「ワイド」の3種類に区分されます。サポカーとの違いは、高齢者のペダル踏み間違いによる急発進を防いでくれる機能が追加されていることです。
1.駐車場や狭い道でも頼りになる自動ブレーキ
サポカーとして認められる最低必要条件が、車にぶつかりそうになると自動でブレーキをかける自動ブレーキが搭載されていること。中には歩行者や自転車まで検知してブレーキをかけてくれる、より進化したシステムもあります。
2.疲れている時もしっかりアシスト
高速道路や幹線道路で安心感を高めてくれるのが、サポカーSワイドの車に装備される2つの機能です。車線を外れてしまいそうになると警報音やハンドルの振動などで「注意」してくれる車線逸脱防止システムは、長距離で集中力が切れそうなドライバーに注意喚起をしてくれます。また、ハイビームとロービームを自動的に切り替える先進型ヘッドランプは、夜間走行の際に気づきにくい前方の歩行者の早期発見に貢献してくれるでしょう。
3.家族みんなが安心して運転できるハイテク装備
サポカーSの中でも装備が多彩な「サポカーSワイド」は、踏み間違い防止機能がついていることが必須条件です。最近では高齢者による踏み間違い事故が増えていますが、駐車場などでのアクセルとブレーキの踏み間違いを車がカバーしてくれます。これは免許を取得して間もない若いドライバーにとっても、非常に頼りになる装備です。
メーカー別!これがオススメなコンパクトカーだ!
ここからは、コンパクトカーであることを前提に、国産車メーカーの新型車の中で「ハイブリッド」を搭載した「サポカーS ワイド」でオススメの車種をご紹介しましょう。サポカーとしての基本性能だけでなく、各メーカー自慢の先進安全装備についてもご注目ください!
トヨタ「ヴィッツ」1,373,760円〜
トヨタのコンパクトハッチバック「ヴィッツ」のハイブリッドモデルは、JC08モード燃費が34.4km/ℓの燃費の良さが魅力。さらに、お手頃価格も魅力的。「Toyota Safety Sence」と呼ばれる安全機能を標準装備した上級グレードに、オプションのインテリジェントクリアランスソナーをつけたモデルは安全性も言うことなしです。このソナーは「パーキングサポートブレーキ」とも呼ばれ、駐車場などでアクセルとブレーキを踏み間違えた時に、急な発進を防いでくれます。
日産「ノートe-Power」1,901,880円〜
日産独自のハイブリッドシステム「e-POWER」は、トヨタなどのハイブリッドモデルと少し異なる構造になっており、エンジンは発電のみに使われ、そこで作られた電気でモーターを動かして車を走らせます。「e-POWER」モデルは最高で37.2km/ℓとかなりの低燃費!
日産の安全に対する取り組みを象徴する「ニッサンインテリジェントドライブ」は、非常に充実した安全性能を備えています。前を走るクルマとの適切な車間を自動的に保ちながら一定速度で走ってくれるインテリジェントクルーズコントロールや、車線から外れそうになると警報だけでなくハンドルの操作までサポートしてくれるシステムなど、ドライバーのストレスを軽減してくれる機能が豊富に揃っているのが特徴です。
ホンダ「フリード」2,496,000円〜
4.3mのコンパクトなボディに3列シートを備えたフリードは、6人乗りと7人乗りが選べるミニバン。ちょうどいいサイズのファミリーカーですが、車両重量は他のコンパクトカーに比べて少し重め。それでもハイブリッドモデルは27.2km/ℓなので燃費の良さは変わりません。そんなフリードには、ほとんどのグレードのモデルに「Honda SENSING」と名付けられたホンダ独自の先進安全機能が標準装着されています。Honda SENSINGは、先行車との間隔とスピードを適切に保ってくれるACC、道路標識をメーター内に表示して注意を促す機能なども含まれているので、うっかり運転の防止にも役立つでしょう。
スバル「XV」2,829,600円〜
スバルXVはすべてのグレードで、雪道や未舗装の道路も安心のフルタイム4WDシステムを採用しています。中でももっともJC08モードが優れているのは、「Advance」と名付けられたハイブリッドモデルで、JC08モード燃費は19.2km/ℓを達成。このクラスのSUVとしては優秀な燃費と言えるでしょう。AdvanceはサポカーSワイドにも該当しますが、さらに注目したいのは「ぶつからない車」の草分け、スバルが誇る安全運転支援技術「アイサイト」です。渋滞している時にも使えるクルーズコントロールや、ハンドルの操作をアシストして車線からのはみだしを防いでくれる機能などが、高速道路を使ったドライブシーンでの安心感をサポートしてくれます。
スズキ「スイフト」1,787,400円〜
JC08モード燃費が32.0km/Lの「ハイブリッド」モデルと、27.4km/Lの「マイルドハイブリッド」モデル、ふたつのタイプのハイブリッドカーが選べるのが、スイフトのユニークなところ。燃費の差は主に、エンジンをアシストするモーターの種類の違いによるものです。価格的にはハイブリッドモデルのほうが22万円ほど高く設定されていますが、専用メーター以外の装備がより充実している点は見逃せません。
スイフトはセットオプションとなる「セーフティパッケージ装着車」も含めて、ほとんどのグレードがサポカーSワイドに該当します。運転の疲れなどにより、車両が蛇行していると判断したら警告を鳴らす「ふらつき警報機能」、ドライバーに先行車の発信をお知らせする「先行車発信お知らせ機能」などを搭載したスズキの安全技術「スズキセーフティサポート」は、ヒヤリハットな場面を限りなく0にしてくれるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は「ハイブリッド x サポカー」という軸でオススメの車種をご紹介しました。当然、選ぶ軸によってオススメの車種はいかようにも変わるわけですが、コンパクトカーのカテゴリーで考えている方にとっては、「ハイブリッド x サポカー」の軸はそれなりにフィットするのではないかと思いますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
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