長期休暇に増える!盗難や車上荒らし — その手口と対策をご紹介 | Smartdrive Style

クリスマスを迎えるあたりから、巷では一気に年末のムードが高まります。年末の長期休暇を利用して故郷へ帰省をしたり、海外旅行を計画していたりする方も多いことでしょう。

車を所有している人であれば、車で帰省や旅行をしない限り、「長期間自宅から離れる=愛車を置きっぱなしにする」ことになり、車両盗難されたり、車上荒らしの被害を受けたりする可能性がググッと高まります。

そこで今回は、前半で車両盗難の手口と防犯方法を、後半で車上荒らしの手口と犯罪行為を防ぐ方法について解説します。
備えあれば憂いなしですね!

 

警視庁の統計では、2017年度における自動車盗難の認知件数は10,213台で、10年前の水準と比較すると約4割程度にまで減少しています。減少の理由は、防犯性の脆弱さを解消するために開発されたイモビライザーキーの普及により、ピッキングでのドア開錠とエンジン始動が段違いに困難となったことが考えられます。

しかし、盗難時にカギを抜いていた「キーなし車両」が盗難被害を受けた割合を見ると、ほぼ横ばい、もしくは年度によって上昇傾向を見せています。

つまり今も昔も、しっかりドアロックしていたにも関わらず、車は盗まれてしまう可能性があるということです。また、開錠の難易度が上がったことを受けて犯行グループの組織化が一層進み、レッカーやクレーンなどで車体ごと運び出して盗むような、大胆かつ乱暴な手口も増えているようです。

 

車両盗難に遭いやすい車種ってあるの?

統計上の話ではありますが、実は盗難されやすい車があります。
下の表を見ると、トヨタ車や営業向きの車種が近年、上位を占めています。ワースト5にランクインする車種は、いずれも海外におけるニーズが高い車種ばかりです。

【2016年・2017年盗難台数ワースト5】

メーカー・車種 2016年 2017年
トヨタ・プリウス 1,058台 986台
トヨタ・ハイエース(レジアス) 1,391台 878台
トヨタ・ランドクルーザー 510台 478台
いすゞ・エルフ 377台 289台
スズキ・キャリィ データなし 269台

こうした傾向から、犯罪グループは窃盗した車両について、転売しやすい海外で売りさばき、不当な利益を上げていることがよくわかります。

なお、盗難被害件数の多い都道府県も例年顔ぶれがほとんど同じで、茨城・大阪・千葉・愛知・埼玉が2年連続でワースト5にランクイン。2017年はワースト10だけで全体被害件数の約77%を占めるなど、盗難が一部に集中する傾向がみられます。

 

大型駐車場や自宅ガレージに停めたとしても盗難はおきる

すこし前までは車両窃盗犯は単独行動しているケースがほとんどでした。基本の手口は、路面に停めている車の中からカギがつけっぱなしになっている車を見つけ出し、短時間で犯行に及ぶというもの。しかし、路上駐停車の規制厳格化に伴いカギ付きでの駐停車車両が極端に減少したことと犯行グループの巨大化によって、犯行の舞台が複数車両の物色と同時に盗難ができる大型駐車場などへと移行しています。

また、真夜中や不在時などを狙った自宅ガレージの盗難被害も増加しており、両者を合わせると全体の約7割を占めるほどになっているのです。カギをしっかりかけて指定の駐車場に停めていたとしても盗難に遭う可能性があるならば、どうやって愛車の盗難を防げばいいのでしょうか。

施錠は言うまでもありませんが、駐車する位置を明るめで人目のつきやすい場所にするなど、まずは防犯意識を高めて駐停車をしましょう。

 

車両盗難を防ぐ!おすすめ装備とグッズ

最近では優秀な防犯グッズがたくさん市販されていますので、次のようなグッズを装備して防犯対策をしてみてください。

 

1.カーセキュリティー&ステッカー

最もポピュラーで効果的な防犯対策ではありますが、やはり防犯性が高いのは、車になんらかの異常が発生した時、離れた場所にいるオーナーや周囲の人たちに警告アラームやハザードランプ等の点滅で異常を知らせるカーセキュリティーです。簡易的なものなら3~5千円程度、感度の高い最新モデルの場合は4~5万円と、価格帯の少々バラつきはありますが、安くても一定の撃退効果を望むことができます。いずれにしても大切なのは、セキュリティーシステムを搭載している事実を、犯人側に周知させることです。どの商品も搭載を明記したステッカーが同封されていますから、それを車のフロントガラスなどといった目立つ部分へ、しっかり張るだけでも効果は違ってきます。

車両を盗難する側にとっては、車種はもとより「車検残の有無」も大きな物色ポイント。フロントガラスに添付している車検ステッカーの真下にでも張っておけば、必ず目に入るのでギョッとすること請け合いです。また、窃盗犯からすれば名前を聞くだけで撤退も考えるバイパーやユピテルなど、有名どころのセキュリティーシステムの場合、ステッカーだけを通販で安く購入することもできるので、張っておくだけでも盗難を防止する効果があります。

 

2.センサーライト

車両盗難が増えるのは、人気が無くなり暗闇が犯行を隠してくれる、深夜から早朝にかけて。これは全ての窃盗事件に共通する特徴でもあります。そのため、人が接近すると反応して明かりがつくセンサーライトを愛車の保管場所近くに設置しておけば、明るさに嫌悪感を覚えて車窃盗犯が引き上げるケースもあります。

窃盗犯は警戒心が強く、少しでも不利な要素があると犯行対象から外しますし、セキュリティー以外に空き巣や忍び込みを防ぐ手段にもなりますので、一石二鳥のアイテムといえるかもしれません。

 

3.ハンドルロック&タイヤロック

至ってシンプルかつアナログな対策ではありますが、長期不在時や夜間駐車時にハンドルやタイヤを物理的に施錠して車を動かない状態にするハンドルロックやタイヤロックを設置するのも効果的です。イメージ的には自転車のロックと変わりありませんが、どちらも数千円でカー用品店などで購入できるうえ、視覚的な防犯効果も期待できます。

 

車上荒らし被害件数の推移と手口―傾向と対策は?

車体または解体後の各パーツ転売によって不法な利益を得ようとする車両盗難と異なり、車上荒らしは現在でも毎年10万件ほどの被害報告があります。認知されていないものや泣き寝入りをしたケースを含めると、おそらくその数倍に達するでしょう。

ピッキングによる手口は減少したものの、反対にガラスを叩き割って車内にある貴重品やカーナビなどを根こそぎ窃盗する、迷惑極まりない車上荒らしが近年増加しているのです。

なお、車両荒らしの発生(認知)件数断トツのワースト1は大阪府で、2016年の政府統計によると、最も件数の少ない島根県の約100倍も発生しているといいます。

車上荒らしに遭いやすい車の条件

盗難とは違い、車上荒らしは「狙われやすい状態かどうか」を知っておくことが防犯対策をする上で重要なポイントです。基本的なことを含みますが、次のような車が被害にあいやすくなりますのでご注意を!

  • ドアの施錠忘れやウインドウが不完全なクローズ状態にある
  • バックやカバンがシートに置きっぱなしで、見える位置に置いてある
  • 高性能・高価格な後付け社外装備がたくさんついている

カーナビなどの装備で、埋め込み型の純正パーツは取り外しに時間がかかるため窃盗犯も煙たがります。しかし、後付け社外品の場合はあっという間に外して盗み出すことができるため、長期間車を使わない時はあらかじめ取り外しておいた方が良いでしょう。

また、室内が散らかっている車は物色の痕跡がわかりにくく、犯行に気付かないまま時間が経ち、しばらくしてから気づくケースも。そうなると事後対処が遅れてしまいますので、日頃から車内の整理整頓をしてどこに何があるかを覚えておきましょう。

 

車上荒らしを撃退する!おすすめ装備とグッズ

車上荒らしはコンビニへ少し買い物に行ったタイミンやちょっと停車したタイミングなど、少しの時間でも忍び寄って大切な財産を奪っていきます。先ほど車両盗難対策としておすすめしたグッズも有効ですが、次のようなグッズも車に常備しておくとさらに有用です。

 

1.ドライブレコーダー

近年、危険極まりないあおり運転による事故によって注目度が急上昇しているドライブレコーダー。こちらが装着されている車を好んで車上荒らしのターゲットにするような、目立ちたがり屋の窃盗犯なんていません。窃盗を目的とした落書きやキズなどのいたずら抑制にもつながりますし、仮に車上荒らしにあってしまったとしても、後に証拠として犯人検挙につながるため、格好のセキュリテー対策装備であると言えるでしょう。

 

2.カーナビ盗難防止用ボルト

社外アルミホイールを装着している方なら想像しやすいかもしれません。これは、オリジナルの溝が掘られているボルトと、通常の六角ボルトを取り替えることにより、レンチなどといった汎用工具では取り外せないようにする、カーナビ盗難防止用のボルトです。

ビスやねじ式の商品もありますが、基本的にはダッシュボードの上に設置するだけと使い方も簡単。取り外しに時間のかからないタイプのカーナビを車上荒らしから守るには、安価で導入しやすい防犯用グッズと言えるでしょう。ただし、付属する特殊工具失くしてしまうと、愛車を手放すときに大変です。だからと言ってダッシュボードなどに入れっぱなしだと、意味を成しませんので、自宅の決まった場所でしっかり管理しましょう。

 

3.車体カバー

通常は雨や紫外線から車を守るために自宅のガレージなどで使用される車体カバー。実はこちらも車上荒らし対策に有効なグッズの1つです。カバーで覆われていると車内の様子がわからないため目当ての貴重品や装備があるのか物色できず、リスクを犯してまで犯行に及ぶべきかを判断しにくくするからです。また、カバーを外すと音がしますし時間もかかるので、犯行が周囲に発見されるリスクも高くなります。そうすれば車上荒らしはカバー装着車を標的から外すことも多くなります。

サンシェードもフロント部分の目隠しにはなりますが、侵入した犯人の隠れ蓑に利用されかねませんので、暑さ対策はともかく防犯グッズとしては、有効はありません。

 

まとめ

防犯グッズを有効活用することで大きな被害を防ぐことはできますが、どんなに優れたセキュリティーを導入しても犯人側は新しい手口を編み出してくるため、油断は禁物です。愛車をしっかり守るためにも、オーナーは常に高い防犯意識を持たなくてはなりません。

万が一、車両盗難や車上荒らしの現場に鉢合わせたとしても、逃走する犯人を追ったり、取り押さえようとしたりするのは危険ですので絶対に避けてください。この場合は、速やかに警察へ通報したのち、指示を仰ぐようにしましょう。

Visited 565 times, 1 visit(s) today

コメント

タイトルとURLをコピーしました