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「高齢 = 免許返納すべき」とは限らない?

「高齢 = 免許返納すべき」とは限らない?

高齢を理由に、運転免許証を自主返納した80代の男性が、9月に兵庫県内の自宅近くで車を運転したとして道路交通法違反(無免許運転)で摘発されました。

事件が起きたのは男性が免許を返納してからわずか3ヵ月後。警察の操作では認知症の疑いがあると判明しましたが、今回のケース以外にも免許返納後の高齢者が無免許運転で捕まるという事象が数々と起きています。

高齢者による痛ましい交通事故が増えているのも事実ですが、今まで利用していた交通手段がなくなると一気に生活が困るもの。私たちはこの問題とどのように向き合うべきでしょうか。

 

免許返納後になぜ事故が起こるのか

免許返納後の事故の原因は主に2つのケースがあります。

「免許は返納したが、移動手段がどうしても必要だった」やむを得ず運転したケース

2018年9月、福島県いわき市の市役所駐車場で暴走するクルマが男女を次々に跳ねるという悲痛な事故が起きました。運転していたのは同市内に住む86歳の男性で、逮捕の4日前に運転免許を自主返納していたため、無免許の状態でした。男性は運転に不安があったため免許の自主返納をしましたが、その後の調べに対して「免許は返納したが、移動のためについ運転してしまった」と供述しています。

「免許を返納したことを忘れていた」認知症の疑いがあるケース

山形県新庄市内の市道を走行していた軽トラックが路外に逸脱し、道路左側の電柱に衝突する事故が起きた。運転していた78歳の高齢女性が重傷を負いましたが、女性は今年に入ってから運転免許証を自主返納していました。事故が発生したのは見通しの良い区間。現場に目立つブレーキ痕は無く、車体の損壊状況から減速せずに衝突したものとみられています。認知症の可能性も高いということでした。

国は、高齢者が引き起こす数々の事故を受けて、1998年から運転免許証の自主返納を高齢者にすすめており、申請をすれば地域の警察署や運転免許センターに免許を返納した後に身分証明証として免許サイズの「運転経歴証明書」が交付されます。しかし、今まで移動手段として当たり前のように利用していたものが、いきなりなくなってしまうとしたらどうでしょうか…?

首都圏など、都心部であれば数分ごとに走っている電車やバス、タクシーなど交通インフラが整っていますが、地方に行けば家から駅までが遠いという人も少なくありません。免許を返納すれば市バスやタクシー代金の割引など自治体によって様々な交通手段の特典が用意されていますが、地域によってはバスが数十分に1本、中には数時間に1本の運行だったりするため、自分の時間に合わせてお出かけできないという声もあがっています。

また、買い物した後に重たい荷物を抱えながら家まで帰るのも、高齢者にとってはなかなかの体力勝負。こうしたことを考えると、自宅近くにスーパーや病院がない地域に住んでいれば、やはりクルマは必需品とも言えるもの。高齢者は運転リスクが高いので「一定の年齢に達したら免許を取り上げるべきだ」という意見も上がってはいますが、取り上げただけで簡単に解決する問題ではないのです。

 

免許返納後のケアを考えよう

警察庁の統計では、高齢化に伴い65歳以上の全国の運転免許保有者は過去10年間で約436万人増加し、2017年は約1,618万人にのぼっています。また、認知症を理由に免許取り消しや停止処分を受けた高齢者は2017年の1年間で3,084人に上り、前年から約1.6倍も増えました。これは、2017年3月に施行された改正道交法で、信号無視など認知機能低下が原因とみられる交通違反をした75歳以上の高齢者に認知機能検査の受検が義務づけられたことが原因です。

他の年代に比べると、ブレーキとアクセルの踏み間違いや筋力低下や可動域が狭まりハンドルをうまく操れないなどの原因が多い高齢ドライバーの事故。連日のニュースを受けて離れて暮らす自分の両親のことを考え、家族間で話し合いのうえ免許を返納したご家族も少なくはないでしょう。

しかし、地方に暮らす高齢者にとっては運転ができない=生活の足がなくなることにもなるため、安全を考えての判断だったのに、自宅に引きこもりがちになって認知症が進んでしまったというケースも多くなっているのです。

なかには日々の買い物や通院だけでなく、純粋にお出かけするのが好きな方や習い事に通う方、お友達に会いに行こうと車のハンドルを握る方もいらっしゃるでしょう。そんな毎日のちょっとした楽しみが身近になくなるのは、高齢者でなくても寂しいと感じるものではないでしょうか。

地方の自治体などでは買い物品お届けサービスや訪問サービスなど、免許返納後の高齢者への生活支援制度を充実させようとしていますが、支援自体は生活の自由度が高くなるものではないため、今後は高齢者が自発的に移動することができ、毎日を楽しく生きることができるような手段を一緒に考えていくべきかもしれません。

 

いますぐできる、安全と安心を確保する方法

2017年の高齢化率は最も高い秋田県で35.6%、最も低い沖縄県で21.0%、2015年を基準として都市規模別に65歳以上人口の推移をみると、都市規模が大きいほど65歳以上人口の伸びが大きい見込み。となれば、免許を返納する高齢者も同じく増えていきます。

今後ますます高齢化社会が進めば、60歳や70歳でも現役で働く人が増えていくことが予想されます。しかし移動手段が限られてしまえば、気軽に移動することができず、働くことなどを諦めて引きこもりがちになってしまう…。心の健康を考えると、必ずしも早期の免許返納が正しいとは言い切れないかもしれません。

最近では安全制御装置が充実したクルマが数多く販売されています。新車で購入する場合は“ほぼ”装備されていると思ってもいいぐらいです。国が推奨する安全運転サポート車は「サポカー」「サポカーS」と呼ばれ、歩行者を検知して自動ブレーキが作動したり、ペダルの踏み間違い時に作動する加速抑制装置があったり、車線逸脱は警報が鳴ったりと、事故を防止するための機能が備わっています。

しかしこれらの装備がなされたクルマを新たに購入するとなると、金額面を考えるとけしてお財布に優しいとは言いがたいものです。また、新しいクルマだと慣れるまでに多少の時間が必要なので、逆に少し不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。乗りなれた愛車で今まで通り運転できるように、簡単・すぐにできる対策があれば――。

離れて暮らす高齢の両親の運転が心配な方にオススメなのが、スマートドライブが提供している「SmartDrive Families(スマートドライブファミリーズ)」です。家族の運転をスマホで見守るこのサービスは、運転情報を可視化することで「毎日安全な運転ができているかな」「長時間運転したみたいだけど体は疲れていないかな」などの心配事を解消します。

ワンタッチで装着できるデバイスからは、今どこにいるのか、車が走行中か停車中かといったリアルタイムの情報だけでなく、今日どれくらいの距離を走ったのか、何時間程度運転したのか、どのルートを通ったのか、どんな運転だったか、といった運転の詳細まで取得することができるため、異変があった際はすぐに気づくことができます。

また、運転ごとに急ハンドル・急減速・急加速のスコアも表示して、どこでどんな操作があったのか、どの操作が危険運転につながるかが明確になるため、長く運転を続けるための改善策を一緒に考えることができます。

改善点がわかったことで次の運転でより安全を気遣うこともできますし、運転スコアが向上すればドライバーの意識やモチベーションもアップします。いつも行くスーパーへの運転ルートが大きく違っているのが見受けられたり、長時間運転をされていたりすれば、「今日は何かあったの?」「しっかり体を休めてね」などと声をかけてあげましょう。一番身近にいる人の声が、安全への意識を高め、事故防止につながるのです。

 

高齢でも安全運転な人もたくさんいる

高齢者が増加の一途をたどっている日本においては、高齢ドライバーは今後も増えていくことになる中で、前述のようにハードウェア(車)ですべてを制御するようにというのも簡単ではありません。SmartDrive Familiesもふくめ、いかにそういった事故が起こりそうなサイン(予兆)を見つけることができるか、そして、それをどう予兆レベルのうちに未然に対処できるかというのは課題でしょう。

また一方で、高齢者と一括りにして語るのもよくありません。かなり高齢であっても頭も運転もしっかりしているという方もたくさんいるはずです。単に年齢でドライバーの運転能力を決めつけてしまうのではなく、実際の運転(何らかの形で可視化された)を見て判断するということが重要ですね。

 

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