
週末に家族や友達と遊びに行く、少し遠出して買い物に行く、子どものお迎えなど、車の利用シーンは様々。しかし、車の長期的な所有は思っているほど簡単ではなく、維持費や手続きなどそれなりに手間がかかるもの。
毎日利用するわけではないけどちょっとした時に使いたい、を叶えてくれるのがカーシェアリングのサービスです。手続きも簡単なうえ、近くにステーションがあれば自分のクルマのような感覚で利用ができるため、年々利用者は増えているのだとか。
今回は全国区で展開しているカーシェアリングサービス大手「タイムズカープラス」を実際に利用し、使いやすさやメリット・デメリットについて検証。シーンや目的を明確に利用していると、使い勝手のよさや課題がちらほらと見えてきました。
体験者のデータ:
・36才女性、主婦。3歳の子どもが1人。
・都心に在住
・車は所有していない。
・免許は所持、ただし前回運転したのは10年ほど前というペーパードライバー。
きっかけは子どもができたこと
30を過ぎて結婚し家族が増えたことをきっかけに、時々、車の所有について考えるようになりました。子供は今3歳。平日の昼間は保育園にあずけているので、日中は割と時間がある方かもしれません。
そこでふと、こんな思いが。「私が自由に車を運転できるようになったら、家族といっしょにお出かけもできるし、もっといろんなところにいける」。
免許は持っているものの長年ペーパードライバーなので運転はとっても不安。それに車を購入するにも費用や維持費を考えると大きなハードルがあります。都心部に住んでいるので、移動手段にはそこまで困ることもありません。
一方、子どもと遠くへお出かけするときは毎回なかなかの体力勝負だし、いろんな経験をさせて子どもが喜ぶ顔がたくさん見たい…もちろんそれだけではなく、車なら子どもが熱を出した時や何かあった時にもすぐに病院まで連れていける。そんなとき、目に留まったのが「カーシェアリング」のサービスでした。
今後、さらに家族が増えたらやっぱり車での移動が便利。車の所有となると旦那さんとお財布と相談しなくてはいけないので、ともかくまずはペーパードライバーを脱却しよう!そう思って、数ヵ月前から月に2〜3回ほど、運転を練習するためにカーシェアリングサービスを利用し始めたのです。
目先の目標は「ペーパードライバー克服」なので、利用用途はいまのところ「車の運転の練習」のみ。運転に自信が持てたらカーシェアでお出かけしよう。これが二段階目の目標です。
まず、カーシェアサービスを申し込む前に、まずは自動車教習所のペーパードライバー克服コースに通いました。週1ペースで10回ほど通ったところで、あとは「駐車の仕方」と「とにかく慣れること」を課題に残して終了。そこからがカーシェアリングサービスの出番でした。苦手を早く克服して、楽しいカーライフを過ごしたい、そんな思いでいっぱいでした。
体が操作を覚えるためには、「週1回1時間ずつ」よりも「毎日15分ずつ」続けられるほうが効果的だということも聞き、15分刻みで安価に利用できる「タイムズカープラス」は運転の練習には最適です。ステーションが近所にあるから気軽に借りに行けるし、まるで自分の車かのように利用できるのもメリットです。
いざ予約!
早速、運転の練習をするときは「タイムズカープラス」をこのように利用しています。
利用料金や支払い
月額基本料金は一律1,080円ですが、これは車を利用してもしなくても、会員登録をしている間は毎月発生します。1,080円分は月額基本料金から充当されるので、そりゃあ使わなきゃもったいない!いつも利用しているのは最も一般的な「ショート」プランの「ベーシック」クラスで15分206円。1回の利用時間は15分以上から、それ以降は何時間でも好きなだけ借りることができますが、私は大抵15分〜30分で利用しています。
他には、加入を選べるオプション「TCP安心補償サービス(1回利用につき309円)」がありますが、これは事故で車やタイヤが破損した時に支払い免除になる保険です。(後半に補足あり)
私はこれまでは超短時間利用なので利用したことはありません。支払いはクレジットカードのみで、利用すると自動的にカード宛に料金がチャージされます。ジャラジャラ小銭を持ち歩く必要がないので楽ですね。
車を借りるのも楽チン
タイムズカープラスの「マイページ」にログインしたら、希望のステーションから希望の車を選び、利用時間を選択。返却時間は長めに設定しておいて約束より早く返却することもできるし、利用中に返却時間の変更(延長)手続きすることもできるので(Webからも、車内のカーナビからも可能です)焦ることもなく精神的にもありがたい。利用料金は、利用した時間分のみ15分刻みでチャージされます。
予約時間の約15分前から、予約した車のセンサーが点滅し始めて利用することができるので、15分で借りても少し長めに練習できます。センサーに会員カードをかざすと車のロックが解除されるので、ドアを開け、助手席前のダッシュボードから車のカギを取り外してエンジンをかけます。
そこからが本番です。時間が短い分、すごい集中力で練習します。いや、短いからこそ集中できてしまうのです。
返却時は、元の駐車場に戻してエンジンを切り、カギを元のダッシュボードに戻して車から降ります。先のセンサーにカードをかざし、車がロックされたら利用終了です。ロックがかった瞬間までが利用時間として認識されます。(借り出しの時間から15分刻みで、15分を数秒でも過ぎると、次の15分の料金がチャージされます)
カーシェアリングならではのメリットとは
・安く、小刻みの時間で借りられる
15分206円という安価な料金で小刻みに利用できるのはとても便利。予約時間の15分前から利用できるため、実質、毎回30分をたったの206円で運転の練習ができていたことになります。教習所の練習コースの料金は1時間数千円なので、料金と時間を比較しても大きな差。もっと早くカーシェアに切り替えてもよかったかも。
・ニガテ分野を集中的に練習できる
一番苦手な「駐車場への入出庫の練習」のためだけに借りたこともあります。15分206円で納得行くまで練習できることは画期的だと思いました。しかし現実は、駐車場を通りがかった人々みなさんが親切で、なんども私が駐車が苦手で困っていると勘違いして助けてくれようとしてくれたこともありました…。
・運転がヘタでも安心して乗れる
家族や友人の車を借りたり、中古/新車に限らず自分の車で練習したりすると、車をぶつけて傷をつけてしまう不安が常につきまといますが、カーシェアリングサービスは車を破損したときの基本的な保険はすべて利用料金に含まれているため、その点は安心できます。
実際に一度、駐車場で他人の車にこすってしまい保険のお世話になりました。相手の方の車の修理費用は15万円だそうでしたが、私の負担はペナルティーの2万円で済みました。なお、これは私がこのときオプションの「TCP安心補償サービス」に加入していなかったから発生した料金。もし加入していれば負担免除だったのです。もう少し運転に慣れるまではオプション保険に加入するべきだったかも、と反省。
・思い立ったときにすぐ利用できる
ちょっと時間が空いて「運転練習しようかな」と思ったとき、すぐに利用できるのが便利です。空いてさえいれば、5分後からでも利用できます。私の自宅の徒歩10分圏内にはタイムズのステーションが5つほどあるため、思い立ったときに借りられなかったということは一度もありません。
カーシェアリングで困ったことは
・お気に入りの車が、短期間でなくなってしまう
当初は「いろんな車種に試乗できる」「自分の車を買おうとするときの参考にもなる」と考えながら、さまざまな車を利用するようにしていました。車好きであれこれ試したい方には夢のようなサービスかもしれません。(とはいえ車種に限りはありますが)
しかし私の場合、主目的は運転スキルの向上。しばらく利用する中で「運転を覚えるためには、毎回同じ車を繰り返し利用したほうがよい」ことに気づきました。とくに座席からの視界やブレーキの踏み具合と止まり具合やアクセルの利き具合は、私のような運転初心者でもはっきり認識できるぐらい、車が変われば違うものです。車が変わるとサイドブレーキがどこにあるか見つけられなかったり、アラームが鳴っている原因がまったく分からなかったりして困ることもありました。
同じ車を毎回借りようと決めてからさらに困ったのが、「車種の入れ替わりが激しい」こと。やっと操作を覚えてきたところで新しい車種に一新されてしまうため、また別の車で運転に慣れなければならないのです。そのため、今でも「初心者マーク」は手放せません…。
車を所有せずにカーシェアリングする方の多くは、「常に新しい車に乗りたい」方が多いのかもしれませんが、私のように運転に慣れていない人だと毎回同じ車に乗れるほうが安心だったりするので、そこは所有ではないので難しいかなと感じました。
まとめ
カーシェアは買い物やお出かけ時に利用されることが多いかもしれませんが、運転の練習という観点で使うのも一つの方法としてアリです。
もちろん、現在の運転スキルがどの程度かは教習所の講習などで把握して、課題が何かを理解しておく必要があるかもしれませんが。私の場合は、人や車があまり通らない時間を選んで練習を始め、少しずつ車や人が多い道を走るとように、段階的に練習したことで運転がどんどん楽しいと思えるようになりました。
都心部では私と同じようなペーパードライバーさんは少なくないと思いますので、いきなり「長距離ドライブへ行こう!」ではなく、少しずつならすための練習に利用してもいいかもしれません。
以上、カーシェアの少し変わった(?)利用の仕方のご紹介でした。
