通勤や子供の送り迎えなど、ライフスタイルが変わったことで車を購入、またはリースで長期的に所有することになったけど、条件にあった駐車場がなかなか見つからない…。そんな方も少なくないのではないでしょうか。
特に都心部は駐車場の賃料が高く、スペースも狭いところが多いため、探すのにも一苦労。駐車場にある募集看板をみて問い合わせをしても、すでに満車になっていたという声も少なくありません。
今回は、苦労しがちな月極駐車場の見つけ方のコツや大事なポイントについてご説明します。車庫証明を取得するために駐車場を早く見つけたい!という方は、ぜひご参考ください。
自宅の近くを歩いていれば、いくつものコインパーキングを見かけるのに、月極駐車場が簡単には見つからないのはなぜだろう…。そんな疑問を抱く人もいるでしょう。
その理由の一つに、月極駐車場を保有しているオーナーや管理会社が月極駐車場の営業をやめていることがあげられます。そのほか、次にあげる3つの理由が影響しています。
・若者の車離れ
都心部では電車やバスなどの公共交通機関が発達しているので、車がなくてもいきたい場所へ簡単に行くことができます。車を所有すると維持費や車検、税金など多額の出費が負担になるため、免許は持っているけど所有はしないという若者が増えているのです。
・軽自動車の大型化
かつてはセダンタイプの自動車が主流でしたが、1990年代後半以降に背の高い軽自動車が販売されたのをきっかけに、年々大型の軽自動車を保有する人が増えてきています。都心部は限られた土地にビルが密集していますが、都心部に多い機械式駐車場で、なおかつ1990年代前半以前に建設されたものは、セダンタイプの自動車を想定して作られています。このタイプは車高の制限が1550mmと低く、近年増えている背の高い軽自動車やSUV車などは入庫することができません。
・急増するカーシェアリングサービス
近年、駐車場サービスのタイムズや三井のリパーク、レンタカーサービスのオリックスなど、各社がカーシェアリングサービスを拡大し、年々利用者数を増やしています。カーシェアリングは、車を保有していなくてもパソコンやスマートフォンから15分単位で24時間いつでも利用することができますし、近所の買い物やちょっとしたお出かけなど、自分の都合で利用できるのが魅力のサービス。決して安くはないランニングコストや購入時の支払い額を考えると合理的に車の利用ができるので、若者だけでなく法人利用の需要も増えています。
一般社団法人日本パーキングビジネス協会が、東京や大阪など13地域の都市部で「2007年と2011年のコインパーキングの箇所数と車室の推移」を調査した結果、2007年は500㎡未満のコインパーキング箇所数が約32,000箇所だったのに対し、2011年は約40,000箇所と約1.25倍の増加していました。車室数は2007年が約36万台だったのに対し、2011年は約43万台と約1.19倍も増加しています。
空いた土地の活用や収益のすくない月極駐車場はコインパーキングに変えられることが多いのですが、上記で述べたように気軽に利用できるカーシェアリングの需要拡大も影響していると考えられます。車を購入して維持する人が少ない、短期で利用できる方がいい、と世間のニーズや事情をもとに月極駐車場自体が減少しているので、探す方も大変というわけです。
駐車場探しでの必須項目
駐車場を探すときに賃料の安いところや自宅から近いところを優先して探すのも良いのですが、一番重視しなくてはならないのが車庫証明を取得できる条件であるかということです。
車庫証明とは、一般乗用車を新たに購入したり、リースで契約したりした場合に必ず警察へ申請しなくてはならない手続きであり、車を保管する場所を証明するものです。軽自動車の場合は車庫証明が必要な地域と不要な地域がありますので、ホームページで事前に確認しましょう。
意外と誤った認識をされがちですが、車庫証明と保管場所使用承諾証明書は同じものではありません。「車庫証明」は警察が発行する、自動車の登録をする際に必要な書類、「保管場所使用承諾証明書」は、車庫証明の書類を発行するのに必要な書類の一部です。駐車場のオーナーや管理会社が利用者に発行し、利用者はそれを警察へ行き申請することで車庫証明は発行されます。
ですので、駐車場契約時に聞く保管場所使用承諾証明書の発行費用とは、駐車場のオーナーや管理会社が依頼をした利用者に書類を発行するだけの費用ということを忘れないでください。印鑑と必要事項が記入されているだけの書類ですが、発行費用には賃料の何ヵ月分かがかかるからです。基本的には車庫証明を取得するのに必要な次の4つの条件にあった駐車場を探さなくてはなりません。
車の全体を収容できること(かつ前後左右に50cm程度の空間が設けられていること)
青空駐車場であれば条件を設けているところが少ないのですが、機械式駐車場の場合は規定サイズ内の車しか入庫することができません。車検証に記載されている「全長・全幅・全高・重量」が車のサイズです。4つのうち1つでもオーバーしてしまうと、車を収容することができないと見なされ、車庫証明が発行されません。
自宅と駐車場の距離が「直線距離」で2キロメートル以内であること
自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)で定められていますので、自宅から駐車場までの距離は直線距離で2キロメート圏内でなければなりません。とはいえ、2kmは歩くとなかなかの距離ですので、極力近くで見つけたいところ。
自動車が通行できる道路から、支障なく出入りできること
外車やキャンピングカーのような大型車の場合は、道路から駐車場へスムーズに入ることができるかどうかを確認する必要があります。車の出入りができるかわからず不安な場合は、駐車場を探すときに車検証など車のサイズがわかるものを駐車場のオーナーか管理会社へ見せ、支障なく出入りできるかどうかを確認してもらいましょう。
駐車場の使用権限を有するものであること
使用権限を有するものという事項を満たすためには、先ほど説明しましたが、駐車場のオーナーか管理会社が「この駐車区画を貸し出している」と証明する「保管場所使用承諾証明書」が必要です。この書類がなければ、警察も申請を受理することができませんので、必ずもらうようにしてください。
駐車場選びで大事な3つのポイント
先述した4つの条件は必須項目ですが、これらを述べた上で駐車場選びをする際に大事なポイントをお伝えしましょう。
ポイント1:屋内が屋外かを決める
屋外駐車場のメリットは、入出庫の時間が限定されていないことが多く、大抵が駐車場の制限サイズに影響されないところです。しかし、雨ざらしなので車が汚れやすく、頻繁に戦車が必要な場合も。車上荒らしによる被害、時期による車内の温度変化も懸念点です。
屋内駐車場であれば、夜間照明や防犯カメラを設置しているところもあり、防犯対策は屋外よりもバッチリです。天候によって車が汚れる心配もありません。しかし、屋外駐車場より数が少ないため賃料が何割か高いことがデメリットです。
機械式駐車場のメリットは、盗難の被害がほとんどないところや、車が汚れにくい、賃料が比較的安いところです。しかし、車の入出庫に時間がかかりますし、台風や地震が発生すると安全装置が働き入出庫ができなくなったりすることも。
ポイント2:駐車スペースが本当に確保できているか
インターネットは現地にいかなくても契約ができたりしますが、必ず現地へ出向き確認しましょう。イメージが違った、思ったよりも窮屈なスペースだったなど、実際に見ることでより具体的に把握することができます。隣の車とのスペースは十分か、自分の車が出入りする際に障害になりそうなものはないかなど、車のサイズ感をしっかり理解したうえでチェックをしてください。
ポイント3:防犯対策の有無
夜間は視界の悪さから犯罪が増えやすくなります。駐車場周辺が暗ければ、その分危険性も高まるかもしれません。防犯カメラはあるか、照明は暗くないかなど、自分の車をしっかりと守りたい方であれば、この点はくまなくチェックしたいところです。
駐車場を探す3つの方法
月極駐車場は年々減少していますが、それでも実は表に募集が出ていないだけで、全国的に空いている駐車場はたくさんあります。車の所有率が低くなっているので、都心部のマンションでも入居者用の駐車スペースが多く空いているのです。月極駐車場の見つけ方は、不動産屋さんに相談する、駐車場検索サイトを利用する、駐車場検索サイトで住所や連絡先を調べて、自分で問い合わせする、という3つの方法があります。
1. 不動産屋さんへ相談する
不動産屋といえば主に賃貸物件を紹介してくれるイメージですが、引っ越しと同時に駐車場を探す方もいるので物件から近くの駐車場情報もたくさん知っています。引っ越したタイミングで相談してもいいですし、駐車場を探すためだけに相談するのももちろんOK。地元に根付いた不動産屋さんであれば、近所で表に出ていない情報を持っている場合も。
2. 駐車場検索サイトを利用する
家にいる時でも移動中でも簡単・手軽に探すことができるインターネットの検索サイト。駐車場の場所や金額をまとめて調べて比較することもできるので利便性は一番高いといえますが、ネットに掲載されている情報が問い合わせたときには契約済みだった!という場合もあるので、気になったらすぐ問い合わせを。
一番のメリットは、自宅近くで希望にあったオススメの駐車場を紹介してくれたり、駐車場オーナーや管理会社との面倒なやり取りをすべて対応してくれたりするところ。駐車場の探し方や、契約までの流れはどちらを使っても同じなのですが、駐車場オーナーや管理会社は複数ではなく一つのサイトにしか掲載していないこともあるので、いくつかのサイトで比較してもいいでしょう。
・駐マップ
地図やエリア入力で探せる駐車場検索サイト。随時更新されますが、登録数は43万件以上!
公式サイト:https://chumap.jp
・カーパーキング
エリアだけでなく、ランドマークベースでの検索も可能なサイト。お気に入り登録で一括問い合わせもできます。
公式サイト:https://carparking.jp
・日本駐車場検索
日本最大級のシンプルなサイト。
公式サイト:https://p-king.jp/
・アットパーキング
チャットで気軽に相談できる検索サイトです。
公式サイト:https://www.at-parking.jp
3.自分の足で探す
個人のオーナーも少なくないので、ネットや表に出ていない穴場な情報を見つけられる可能性も。ただし、非常に地道な作業のうえ、時間もかかります。契約も自分で行う必要があるため、なかなか骨の折れる作業です。
手数料を抑えるコツは?
不動産屋さんや駐車場紹介サイト経由で契約を申し込むと、必ず仲介手数料が発生します。仲介手数料は大抵が1ヵ月分の賃料ですが、都心部では2〜3ヵ月分を請求される場合もあり、初期費用が十数万円になることも…。苦労して見つけて多額の出費を支払うのは、利用者の負担になるものです。
仲介手数料分のコストをカットしたい場合は、駐車場のオーナーや管理会社へ直接連絡しましょう。駐車場検索サイトで借りたい駐車場の場所を確認し、グーグルマップでその駐車場を探して掲載している募集看板の連絡先へ確認の電話をするだけです。そうすれば、賃料や保証金など、必要最低限の初期費用で駐車場を借りることができます。多少の手間はかかりますが、数万円の節約になります。
駐車場探しで気をつけたいこと
条件にも見合うベストな駐車場が見つかった!と思っても、契約する前に注意すべき点があります。
保証金
初回支払い時に支払う保証金は、賃料の1ヵ月分だったり3ヵ月分だったりと駐車場によって大きく異なります。なにも問題がなければ基本的には解約時に全額返金されますが、返金額が半分だったり返金がなかったりする場合もあるため、契約前に必ず確認しておきましょう。
車庫証明費用
車庫証明が必要なのは、新車や中古車を購入したい場合と、車を譲り受けて名義を変更した場合、新しい車に乗り換える場合です。以前利用していた駐車場で発行し、同じ車を新しい駐車場で利用する場合は不要です。
こちらも駐車場によって金額はバラバラで、数千円で発行してくれるところや、多いところだと賃料の半年分の発行費用が必要なところもあります。契約時に必要なくても、必ず確認するようにしましょう。
まとめ
駐車場はすぐにみつかるものではありません。今回お伝えしたように、なかなか大変ですし時間がかかるものです。
ですので、車の購入またはリース契約を決める前から探し始めるのがベストと言えるかもしれません。都心部は入れ替わりも多かったりするので、早めに目星をつけて問い合わせをしてくださいね!
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