車両保険は愛車のための保険!その必要性と保障内容を解説 | Smartdrive Style

万が一の事故に備えて加入する自動車保険には、車検時に加入が必須である自賠責保険(強制保険)と、それだけでは補償しきれない損害をカバーする、任意保険の2つがあります。

任意保険は数多く存在する保険会社の商品から、自分のカーライフにマッチしたものを自由に選ぶことができますが、自分の車への被害を補償する「車両保険」を付与すると保険料が膨らむため、加入するかどうかを悩んでしまう方も多くいるようです。

そこで今回は、車両保険がどのような損害を補償してくれるのか、詳しく補償内容を解説しつつ、加入の必要性や上手な選び方の参考にしていただこうと思います。

 

車両保険はひとくくりで解説すると、自分の車が被った損害を補償してくれる保険のことです。対人・対物・人身傷害保険では補償してくれない内容をカバーしてくれる非常に有益な保険でもあります。

単純に車両保険と言っても、保険会社ごといくつかのタイプが用意されており、それぞれ補償内容に違いがあります。基本的には「フルカバータイプ」と呼ばれる補償の手厚いタイプと、補償内容の限定された「エコノミータイプ」という2種類ですが、保険会社によってはもっと細かくタイプ分けされていることもあります。

被害内容 フルカバータイプ(一般) エコノミータイプ(限定)
車・原付バイクとの事故
台風・洪水
火災・爆発
騒乱・暴動
盗難・悪戯
積載物との衝突
飛来・落下物による被害
単独事故 ×
自転車との接触 ×
転落・転覆 ×
当て逃げ ×

※補償の有無は保険会社によって異なることもあるため加入時には確認が必要です。

上記の表を見ていただけると解りますが、加入者に責任の一端がある自転車との接触や加害者が不明な当て逃げによる損害でもしっかり補償してくれるのがフルカバータイプです。しかしその分、保険料は割高となります。

しかし、ガードレールを擦ってしまったり、壁にミラーがあたってしまったりなどの小さな単独事故でも補償を受けることができるため、自動車保険の加入者のうち約7割の方が、フルカバータイプを選んでいるようです。

あらゆる被害を手広くカバーしてくれる車両保険ではありますが、以下の項目は対象外となります。

  • 戦争・革命・反乱による損害
  • 地震(自身に伴う津波を含む)・噴火による損害
  • レースなど競技参加中の損害
  • フェリーや飛行機などによる輸送中の損害
  • 故障・自然小網による損害

加えて、飲酒運転や故意に起こした事故など契約者に著しい過失が認められた場合も、補償を受けることができませんのでご注意を。

気になる”免責”っていったい何?

車両保険には、「免責」と呼ばれるものがありますが、これは「車両保険のうち保険会社が補償責任を免れる事がある」という意味で、前項の最後で示した補償を受けられないケースのことを「免責事項」と言います。

ここで注意したいのが、車両保険に入っていても全額が補償されるわけではないということ。保険会社が保険金を支払うときに、その損害額に対する補償のうち一定額を自腹で負担する金額の設定を「免責金額」と呼びます。

免責金額の設定には、定額方式と増額方式の2方式があります。

  • 定額方式・・・「10〜10万円」のように示され、初回適用時・2回目以降ともに、10万円が自己負担となる。
  • 増額方式・・・「5〜10万円」、「0〜10万円」などがあり、前者は初回が5万円、2回目以降は10万円の自己負担、後者は初回自己負担なしだが、2回目以降は10万円の自己負担となる。

免責金額を高く設定するほど、年間の車両保険料は安上りになります。そこで節約できる年間保険料は契約者の年齢や等級、加入車種によって異なりますが、10万円免責と0円免責を比較しても1万円にしか満たない場合がほとんどです。

免責金額の設定を高くすれば、安く車両保険を付けられるという情報もあるようですが、たとえば飛び石によってフロントガラスが割れ、交換が必要になったとしても10万円あれば十分交換可能ですし、擦り傷やへこみもかなりのレベルまで修復できます。

免責金額を10万円に設定すると、これらの修理費用をすべて自腹で負担しなくてはならないということになるため、普段運転している道路状況などを十分考慮に入れたうえで、免責金額は決める必要があります。

 

車両保険への加入がオススメなケースと見送るべきケース

自動車保険の全加入者のうち、4割ほどが加入している車両保険ですが、誰にでも必須・オススメという訳ではありません。

自動車保険の保険料を大きく左右するノンフリート等級は、初回契約時の6等級から始まり、無事故で保険を適用しないまま年数を重ねるにつれ、毎年1等級ずつ上がっていき、それに伴って安くなります。

そして、車両保険の保険料も同様に下がっていくため、最高ランクである20等級の方が車両保険を付けるのと、6等級の方が付けるのとでは、保険料の差額がかなり違ってきます。

例えば、20等級であるAさんと6等級であるBさんが、

  • 40歳男性・ゴールド免許
  • H27年式のプリウス
  • 年間走行距離7,000km以下

という加入者条件で、かつ補償内容にしたとしても、

Aさん・・・車両保険あり-車両保険なし=約22,000円
Bさん・・・車両保険あり-車両保険なし=約42,000円

と、およそ2万円もの保険料差が発生します。

つまり、車両保険は等級が高ければ高いほど、おトクになります。基本保険料が高い年齢の若い世代であれば、さらに差額は大きくなります。

ですので、等級が低い方や若い世代であれば、保険料の節約の意味から車両保険を見送るという判断もありと考えられます。また、車両保険で設定される補償額は、契約車両の残存時価をベースに決まり、補償額を上限として損害に見合った保険金が支払われます。ですので、年式の古い中古車で残存時価がそれほど高くない、と判断された場合は補償額も低く設定されてしまうのです。

先ほど例に挙げた27年式のプリウスに145万円の補償額が設定された場合は、かなりの損害でもカバーできますが、これが30…20…10万円と下がってくると、修理代をまかなえない可能性があり、差額保険料がもったいない状況になりかねません。

あくまで目安ですが、新車はもちろん、初めての継続車検となる5年目ああたりまでであれば車両保険に加入する価値は高くなります。しかし、それ以降は保険料と相談のうえ付与を決めたほうがいいですし、10年落ち以降の車の場合、そもそも車両保険を付けられないケースもあります。

ですので、総体的に話をすると、等級が高めで基本保険料も安い「40~50歳」のユーザーで、「5年落ち以前の車」に乗っている場合はおトクに車両保険が利用できるということです。一方、「若い世代」や「古めの中古車」に乗っているユーザーには、必要性が低めだと考えられます。

免責金額の設定は、交通量の多い街中をいつも走る方や、狭い路地を抜けることの多い方などは、小さな接触での損害が発生する可能性も高くなるため、免責金額を「0円」に設定してものいいでしょう。とはいえ、いちいち小さな傷は気にしないから、とにかくできるだけ安く保険料を抑えたい方は、10万円免責に設定し、細かい損害については車両保険を利用しないという選択肢もあります。

なお、事故を起こしたためデメリット等級と言われる1~3等級になっているユーザーや、高級輸入車やビンテージカーなど車両価格が高額だったり残存時価が判明しにくかったりする場合も車両保険付与を断られてしまうことがあります。

 

まとめ

年間保険料の負担は増しますが、補償内容や免責などをよく理解し、必要に応じて適切に付与することにより、カーライフを送るうえでの安心感はグッと向上します。とはいえ、あくまでも万が一に備える「保険」ですので、日頃から安全運転を心がけてくださいね。

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