正しく装着していますか?子どもを守るチャイルドシートの重要性 | Smartdrive Style

2000年から着用が義務化されているチャイルドシート。小さなお子様のいらっしゃるご家庭では車でお出かけの際に必要不可欠なものです。

しかし、義務化されているのも関わらず、2018年4月に警視庁とJAFが共同で行った6歳未満の子どもを乗車させている自動車10,673台を対象にした調査では、チャイルドシートの着用率は66.2%でした。道路交通法では新生児〜6歳未満のお子様が対象ですが、年齢が上がるにつれて着用率が下がっているようです。

大切な子どもの安全を守るためにも、改めてチャイルドシートの必要性について考えてみましょう。

 

道路交通法第14条第3項では、チャイルドシートの着用 に対して次のように定められています。

道路交通法第71条の3第3項

自動車の運転者は、幼児用補助装置(幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であって、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう。以下この項において同じ。)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。ただし、疾病のため幼児用補助装置を使用させることが療養上適当でない幼児を乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。

先ほどの調査の年齢別使用率を割り出したところ、1歳未満が84.4%、1歳〜4歳が67.9%、5歳が44.1%と、5歳児の使用率は他の年齢層と比べるとかなり低いことがわかります。個人差はあるものの、5歳で身長が100cmを超え、チャイルドシートのハーネスがきつくなってきたり、シェルから頭がはみ出すようになってきたりすると不要だと考える方もいるかもしれませんが、その考えはNGです。

後部座席でもシートベルトの着用が義務付けられているため、チャイルドシートを卒業しても、車のシートベルトは必ず着用しなければなりません。しかし、車のシートベルトは成人用に設計されているため、着用できるのは身長が140cmに達してからです。身長が140㎝以上になるまでは、安全を守るためにも必ずチャイルドシートを着用しましょう。

万が一、急ブレーキや急加速で大きな揺れや衝撃を受けてしまうと、首や内臓を損傷する危険性もあります。子どもの体感は大人の何倍にもなることを、忘れないであげてくださいね。

 

チャイルドシート未着用による危険性

チャイルドシート不使用者の致死率は適正使用者の約16倍です。警察庁のチャイルドシート使用有無別交通事故関連統計では、使用している車より不使用の車の方が死亡重傷率はおよそ2.1倍も高くなっています。また、同じく警視庁の調査では、シートベルト非着用時の致死率(死傷者数に占める死者数の割合)は、着用時の場合の約15.3倍高くなるといっています(2017年度)。これらの割合からも、チャイルドシートも何もない状態で乗せることがいかに危険であるか、ご理解いただけるのではないでしょうか。

6歳未満の子供を車に乗せておでかけする際にチャイルドシートを着用していなければ、道交法違反として免許点数が1点減点になります。しかし、チャイルドシートを着用していても、車両への取付け固定が不十分だったり、正しく座らせていなかったりすると、もしもの事故でチャイルドシートがはずれ、幼児がチャイルドシートから飛び出してしまう危険もあるのです。チャイルドシートは正確に取り付け、位置がずれないか、ヨレがないか、確かめるようにしてください。

先ほどの調査結果でもお伝えしましたが、5歳になると、ご家族の判断でチャイルドシートの使用率が急激に低下します。しかし、この状態ではシートベルトでは完全に守り切ることができず、非常に危険な状態で同乗させることになります。チャイルドシートがない状態で急ブレーキをかけた場合、後部座席中央に座っていた子どもの身体がシフトレバーまで飛んで顔面や頭部をぶつけてしまうかもしれません。実際にそのような危険な目にあったお子様もいるので、もしもを想定して安全な状態にしてあげましょう。

 

子どもの安全を守る!チャイルドシートの選び方

市販のチャイルドシートは、乳幼児用ベッド(生後約10か月まで用)、幼児用シート(生後約10か月から4歳用)、及び学童用シート(約4歳から10歳用)の三種類に分けることができます。チャイルドシートには、道路運送車両の保安基準(1951年運輸省第67号)及び日本工業規格(JIS 規格)に、それぞれ自動車に関する安全性の確保、製品の品質の改善等の観点から基準が定められています。ですので、国の安全基準の適合が確認されたチャイルドシートを使用してください。不適合なものは衝突時に子どもを守ることができません。

 

安全基準が適合しているチャイルドシートには上記のようなマークがついています。購入前にはこちらも必ず確認してください。

チャイルドシートには、年齢や体型などに合わせていくつか種類があります。

ベビーシート
首のすわっていない乳児を寝かせるタイプです。原則として後ろ向きに使用します。年齢の目安は新生児から生後10か月くらいまで。体格的には体重10kg未満で、身長70cm以下。
チャイルドシート
前向きのみで使用するものと、前向き・後ろ向き兼用タイプがあります。年齢の目安は1歳から4歳くらいまで。体格的には体重9kgから18kg程度で、身長100cm以下。
ジュニアシート
お尻の下に敷き、座高を上げることで3点式シートベルトをそのまま使用します。年齢の目安は4歳から10歳くらいまで。体格的には体重15kg以上で、身長135cm以下。

 

おおよそ上記のような基準になりますが、使用に適する身長・体重等、また各シート兼用タイプの有無等は、各社の製品によって異なります。交換する目安は以下の図を参考にしてください。

従来のチャイルドシートの多くがシートベルトを用いて座席に固定する方法ですが、この方法では誤った取り付けによる使用が多く、本来の安全性能を発揮できないことが問題になっていました。そのため、2006年10月にチャイルドシートに関する基準の見直を行い、自動車の座席とチャイルドシートを共通取付具(ISO-FIX)で固定するタイプが市販されました。

2012年7月以降に販売された乗用車(乗車定員10人未満)には、ISO-FIXチャイルドシート対応の共通取付具が必ず装備されています。ISO-FIXチャイルドシートは取り付けが簡単であるため、取り付け時のミスユースが少ないとされています。ですので、なるべく誰もが簡単かつ確実に取り付けることができるISO-FIXチャイルドシートを使用しましょう。

また、すべてのチャイルドシートはどの車にも取り付けられるわけではないため、販売しているメーカーが出している「車種別チャイルドシート適合表」も参考にしてください。

 

チャイルドシートを取り付ける時の注意

後部座席に設置しましょう

子どもの様子を把握しておきたいしできるだけ目の届く位置にとの思いで、運転席の横に取り付たいというママやパパも少なくはないでしょう。しかし、助手席が一番危険です。万が一の事故でエアバッグが開くと、その衝撃で子どもを押しつぶしたりしてしまうこともあります。

より安全な乗降を考慮し、後ろの座席の歩道側(左側)に設置しましょう。なお、後部座席の中央は、運転席からはルームミラーで様子を確認しやすいという利点あるものの、シート形状やシートベルト構造から正しく取り付けられない場合がありますので注意してください。

炎天下が続くときはヤケドに注意を

35度を超えるような真夏日が年々長くなっています。炎天下のもと車を駐車していた場合、車内温度が向上し、シート本体やバックル、ベルトなどの金具部分が熱くなり、ヤケドを負う恐れも。駐車場に戻ってきてお子さまを着座させる時には、それぞれの箇所に触れて温度を確認してください

肩ベルトは調整できていますか?

肩ベルトが緩んでいると、抜け出したり首に引っかかってけがをしたりする危険があります。着座した時に肩ベルトが体にフィットしているかを確認してください。また、小さなお子さまを一人にしたまま車から離れないようにしましょう。

チャイルドシートを取り付けたんだけど、なんか心配…

「グラグラしている気がする」「固定できていないかも」取り付けに関して不安があるときはJAFが全国で実施しているチャイルドシート取り付けチェックイベントに足を運んでみてください。プロに確かめてもらうことで不安を吹き飛ばしましょう。

 

チャイルドシートは必ずつけて子どもの安全を守ろう

小さな子どもの安全を守るためには、チャイルドシートを必ず、そして正しく設置することが何よりも大事です。この記事を参考に、ぜひ子どもの安全には最新の注意を払っておでかけしてくださいね。

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