人によっては、自動車が生活に欠かせないこともあるでしょう。しかし、購入にはそれなりにまとまったお金が必要ですし、通年で数々の維持費がかかります。
そのため、社用車を複数必要とする法人であれば、トータルコストを下げるために年数を決めて車のレンタル契約することで料金を「賃借料」として計上し、経費で落とす会社もあります。
この、決められた期間で車のレンタルをすることをカーリースと呼びますが、短期間で車を利用したい場合は法人だけではなく個人でもおトクな方法になるのをご存知でしょうか? そこで今回は、マイカーリースがおすすめな3つの理由について1つずつ詳しく解説します。
マイカーリースの仕組みを知るには「カーリースって何?買うのとどう違うの?初心者のためのやさしいリース学」を併せてご参照ください。
おすすめの理由その1「気軽に新型モデルに乗り換えられる」
自動車の開発技術は日々進化しています。安全性能や燃費性能の向上だけでなく、短期間で革新的なデザインの新型モデルも次々と登場しているので、クルマが好きな人なら目が離せないかもしれません。ただし、気になる新車が出たとしても、その都度買い換えるという人は少数派ですよね。
新車の購入時に「現金一括」で支払っている場合は、前の車を下取りや買取に出すことで、購入費をカバーすることもできますが、大幅に車のレベルを下げない限り、リセールバリューが購入コストを上回ることはありません。
また、ローンを組んで購入している場合は、売却益で残債分を完済しなければ、支払いが重複して毎月の金利負担が増えるばかりか、新たにローンが組めないことも。
マイカーリースは毎月支払う利用料に金利が上乗せされることもなく、契約期間が終了次第、車両を返却するだけなので、とっても気軽。その“賃貸期間”としてもっともおすすめなのが3年契約です。
なぜ、3年がベストなのかを説明しましょう。例えば、トヨタの大人気コンパクトHVである「アクア(グレードS)」を、3年ローンで購入するとします。
頭金とボーナス払い0円で均等返済した場合、追加するオプションやローン金利にもよりますが、基本的には毎月約6万円を3年36回で返済していく計算になります。一方、(会社と選択したプランによって多少の金額差はありますが)マイカーリースの場合、おおよそ3万5千円~4万円の月額使用料で、同じアクアの新型モデルへ乗り継ぐことが可能です。
各マイカーリースの料金水準は、現在利用ユーザーも増えてきた「残価設定型ローン」を利用した際の月額返済額と変わりません。カーリースを提供する会社は、返却された車の残価値分をあらかじめ差し引いた形で、月額利用料を設定しているのです。
今回は比較をわかりやすく説明するために、同じアクアに乗り換えるケースを紹介しましたが、マイカーリースは契約を延長することも、全くタイプの違う車種にすることも可能です。また、リース契約終了に併せて、次に乗り換えを希望する車をあらかじめ用意してくれている会社も多いため、再契約から実車までの空白期間を気にする心配もありません。その点もメリットといえるでしょう。
おすすめの理由その2「車購入・維持にかかるコストをカットできる」
車を購入する際、販売店から提示される見積書には本体価格だけでなく、次のような項目が連なります。
- 取得税
- 重量税
- 自賠責保険
- 各種手続き代行料
頭金なしでフルローンを組んだ場合、その総額に金利はかかってきます。それだけでなく、毎年春になると1年分の自動車税を納付しなくてはなりません。
上記の表を見ても決して安くないことがわかりますが、マイカーリースの利用料には新車購入時の諸費用に加え、この自動車税も含まれています。2019年3月31日までに新車を購入すれば、25~75%の範囲で優遇措置がなされる「エコカー減税」が適用されますが、新車購入時と「3年目以降」には適用されません。
※エコカー減税とは、国土交通省が定める排出ガスと燃費の基準値にクリアした、環境性能に優れた車の購入に関わる税金の優遇制度です。
普通車のうち、最も自動車税が安上がりな1ℓ以下の車で、なおかつエコカー減税が最大である75%であったとしても、3年トータルで約6万9千円もの自動車税が発生します。当然、マイカーリース契約が3年を超えて契約延長する場合も、自動車税だけ見ればお得になります。
しかし、先程紹介したアクアを再び例にあげると、月ごとの返済額が4年ローンなら約4万5千円、5年ローンを組めば約3万6千円と、マイカーローンの利用料に迫るうえ、購入の場合は完済後に買取などに出せば、一定額の売却益が発生することもあります。
つまり、自動車税がかからず、負担を最小限にできるのが、3年というリース契約期間なのです。
おすすめの理由その3「3年なら、一切車検を受けることなく新車を乗り継げる」
車維持費のうち、最も大きなウェイトを占めるのが車検です。自家用乗用車の場合、新車の購入から3年を経過すると、2年間有効の継続車検を受けない限り、公道を走ることができません。
新車購入時にも車検は行われますが、検査基準をクリアできない大きな不具合が発生することはほぼありませんので、車検費用は基本的に「自賠責保険+重量税+検査手数料」だけです。一方、3年目以降に受ける車検はそう簡単にはいきません。基準をパスしない不具合があった場合は、部品交換や整備が不可欠となるため、新車検査時よりもコストが大幅に増す可能性も。
マイカーリースの契約期間は、3年より長い「5年・7年・9年」などもあります。こういった長期契約の場合でも、その間に受けなければならない車検代はリース代に組み込まれているのです。つまり、車検代がかさむことが予想される3年以上の契約の場合、リース会社としても若干なりトータルの利用額を高めに設定しなくてはなりません。
そもそも、5年や7年の契約期間になってくると、いくら車検代がかからないとはいえ、リース料の合計が購入した場合の金額を上回ってしまう、元も子もないことになりかねません。ですので、車検代を気にすることなく、かつ利用総額が購入費を超えないタイミングを考慮すると、「3年」がマイカーリース時の乗り換えベストタイミングとなるのです。
マイカーリースで注意したいこと
ここまで、カーライフの新しい在り方の1つとして、法人だけでなく個人でもマイカーリースの利用は、「3年」を目安にすればおすすめであると解説してきました。
マイカーリースはメリットがたくさんのように見えますが、ここではいくつか注意したいポイントを紹介しておきましょう。
中途解約した場合、解約金がかかる!
前述したとおり、カーリース料金が安めに設定されているのは、契約終了後に返却される車体の残価値を見込んでいるからです。
そのため、万が一事故によりリース車が走行不能となった場合は、契約が強制解除となって、残った契約期間分の月額利用料と、予定していた残価分を合わせた金額「中途解約金」が発生します。全損に至らなくとも、下がったリース車の価値に相当する金額の損害金を契約終了時に支払わなければならない可能性があるということです。免許を取得して日の浅い初心者や、運転に不安がある方は注意が必要です。
また、ベテランドライバーや運転に自信があるという方でも、事故はいつ起こるか誰にも分からないものですから、加入する自動車保険に任意保険をセットするなど、負担をできる限り減らすための対策をしておきましょう。
年間走行距離が長いとトクしない?
自動車保険は通常年間走行距離が短めであるほど、保険料が安くなる仕組みになっています。これは、「長く運転すれば事故リスクも上昇する」ことが主たる理由ですが、カーリースの月額利用料も、走行距離が少ないほど契約満了車の残価値が上がるため、安くなっていきます
走行距離に制限を設けていないリース会社もありますが、基本的には月間「1000km」を上限としているようです。それを超えると契約満了時に追加料金が発生することもありますので、契約を結ぶ前に必ず確認しましょう。
車を自分好みにカスタマイズできない
リース車は契約が終了したら、自然に加わったキズや劣化を除いて契約開始時の状態のまま返却しなければならないため、穴あけ作業を伴うドレスアップや、過度なチューニングを施すことはNG。
とはいえ、業者に持ち込めばすぐに純正と交換できるアルミホイールや、簡易的に誰でも付け外しできる後付けカーナビ程度なら問題はありません。
まとめ
以前カーリースは法人利用が主だったため、リースできる車種はトラックや商用バンがメインでした。しかし最近では一般の利用者も増えてきたため、軽ハイトワゴンからRVまで、取り扱い車種も非常にバラエティ豊か。
3年という期間であればカーリースによるメリットがたくさん享受されますので、カーライフを豊かに楽しくする手段として、選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
