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自分の運転をどう感じてる?免許返納したいけど生活には必要というジレンマ

自分の運転をどう感じてる?免許返納したいけど生活には必要というジレンマ
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2018年5月28日に神奈川県茅ケ崎市で大きな交通事故が発生しました。自動車が4人もの歩行者車をはね、そのうち1名の尊い命が失われた痛ましい事故の原因は、90歳の高齢女性ドライバーの判断ミスによるものでした。

事故の加害者になってしまうリスクを伴うのに、なぜ高齢ドライバーが自主返納をしないのでしょうか。また、返納できない理由があるのでしょうか。

 

なかなか進まない高齢者の免許返納の理由

冒頭で触れた死亡事故に限らず、歩行者の視認と身体の反応の遅れ、判断ミス、さらにはブレーキとアクセルの踏み間違いなどが原因の高齢ドライバーによる事故は、大小含め後を絶ちません。

こうした事故の多さを背景に、免許の自主返納制度の啓もう活動も進んでいます。内閣府の発表した意識調査の結果によると、返納制度を知る人の割合は国内全免許所得者の95%を超えたとのこと。

しかし、高齢ドライバーの多くが返納制度を認識しながらも、以前として返納率は上がっていません。高齢者自身の意識の低さと、生活するために車の運転をやめることができないというジレンマが、その大きな原因になっているようです。

 

免許が返納できない理由とは

高齢者が免許を返納しない理由として、主に次の4つが考えられます。

1.免許返納の必要性を感じていない

一番の原因として考えられるのが、そもそも高齢ドライバー自身が若い頃と変わらず運転ができていると「誤解」してしまっていることが挙げられます。

ある調査では、高齢者講習・及び優良講習参加者のうち、「運転技術に自信を持っている」と答えた人は、80歳以上の男性が76%、女性は58%以上に達したと言われています。

人間の視覚や聴覚、身体能力や反応スピードは年々少しずつ低下していくため、自覚しづらいのかもしれません。老いによる身体能力の低下が原因であれば、「自分は他人より運転がうまい」という過信は、高齢ドライバーに限らずすべての世代にとっても、事故を引き起こす大きな要因となりうるでしょう。

このような誤った意識を変えていくことこそが、交通事故を減らす大切な第一歩かもしれません。

2.手続きが煩雑・高齢者講習(認知機能検査)に費用が掛かる

次に、返納手続きが若干面倒であることが挙げられます。「証明書用の写真の手配をしてください」「身分証が無くなるけど構いませんか」など、担当者から矢継ぎ早に伝えられてしまうことで面倒に思い、手続きをやめるケースも続出しています。

また、高齢者講習には2種類ありますが、認知機能検査で「問題なし」と判定された方が受ける2時間講習には、5,000円程の講習料かかります。一方、記憶力・判断力の低下が「多少ある」と判定された場合に受ける3時間講習には8,000円近くの講習料が必要です。

せっかく高い受講料を払って合格したなら、次の講習までは運転したいという心理が、高齢ドライバーに作用している可能性も考えられます。なお、認知機能検査で「記憶力・判断力が低くなっている(認知症のおそれがある)」と判定された場合は、臨時適性検査もしくは医師の診断が必要です。診断の結果認知症と診断されると、免許取り消し・停止になります。

3.返納すると身分証明書がなくなる

写真付きの身分証明書として、最も利用頻度の高い運転免許証。これが無くなると、生活に困るから運転はしないけど返さない、という高齢ドライバーも相当数に上ります。

顔写真のない健康保険証を提示するだけでは身分証明証として認めないサービスも多いため、パスポートを所持していない場合は非常に不便だったりします。これについては、行政が準備している運転免許同様の効力を持つ制度がありますので、次の項で紹介しましょう。

4.買い物難民など生活に支障が出るので返納しない

リーマンショック後に長らく続いた景気低迷の影響を受け、地元に根付いていた小規模商店やスーパーは閉店を余儀なくされることも多かったようです。その煽りを受け、地方に住む方は利用できる大型スーパーやチェーン店に足を運ばなくてはならなりましたが、これらの店舗は郊外に出店していることが多く、高齢者が気軽に歩いて行ける距離ではありません。車がなくては買い物にすら行けないのです。

また、最近の高齢者は65歳を過ぎても健康で元気。現役でバリバリ仕事をしている方も多く、通勤の足として、車が不可欠であることも一理あります。返納したほうがいいかもしれない。そう自覚していても、生活をするためにはまだ返納するわけにはいかない。こうしたジレンマが、今の日本の交通・経済事情において、免許返納が進まない要因の一つになっているのです。

 

 

長く車に乗り続けるためには

前提として、認知機能検査および高齢者講習を受けてさえいれば、法的に免許を返納する義務はありません。返納はあくまで高齢ドライバーの意思に任されているのです。なぜここまで自主返納の必要性を訴えるのでしょうか。

免許の自主返納を決意した高齢ドライバーのうち、大きなうちウェイトを締めているのが、「視力の低下による運転の危険性」を自覚したケース。これは、視力が低下した状態での運転においては、知らず知らずのうちに衰えてくる判断能力や反応速度と異なり、自らの危険を真っ先に意識してしまう傾向にあるからとされています。

高齢ドライバーの運転で一番危険なのが、重大な事故に繋がりやすいブレーキとアクセルの踏み間違い。警視庁の統計では、2015年におけるブレーキとアクセルの踏み間違いを発端とした死亡事故は58件、そのうち50件が65歳以上の高齢ドライバーによるものと発表されています。

踏み間違いは自覚症状がほとんどなく、反応速度の低下による、「焦り」が大きな原因です。停車をしようとしてブレーキとアクセルを踏み間違えたときに、大きなトラブルが起こる可能性が高まります。その逆もあり、速度を上げる時や発進する時にアクセルではなくブレーキを踏んでしまった場合も、急停車などによって追突事故を引き起こす可能性があります。

取り返しのつかない重大事故を防ぐには、アクセルの誤操作を防がなくてはなりません。最近の車種には誤発進抑制システムなどを含めた、最新鋭の安全装備が多くつけられています。

例えば、ダイハツの予防安全機能、スマートアシストⅢ(以下、スマアシ)は、「飛び出さない」ための誤発進抑制のほかに、次のような機能が搭載されています。

・「安全に止まる」・・・衝突回避支援ブレーキ
・「滑らない」・・・横滑り防止機能(TRC&VSC)
・「暗い道での走行をアシスト」・・・オートハイビーム
・「素早く変化に気づく」・・・先行車発進/衝突警報

未搭載モデルと搭載モデルとの新車車体価格差は約6万円(現行ムーヴを参考)。6万円を高く感じるか、安いと感じるかはそれぞれですが、このスマアシⅢなど抑制機能が搭載された車を「先進安全自動車(ASV)」と言い、各自治体は高齢者の事故を未然に防ぐ対策として、2~3万円程度のASV購入助成金制度を用意しています。

制度を利用できる条件や金額は各自治体によって変わりますが、助成金をいくらかでも受け取れれば、高齢者が安全装備搭載車を購入するハードルもグンと下がります。

また、自動車保険を提供している大手代理店型損保会社も2018年1月から順次、9%程度の自動ブレーキ割引を導入し始めています。

この安全装備搭載車への保険料割引は、今のところ法的拘束力があるものではないため、すべての保険会社が導入しているとは限りません。ですが、例えば普通自動車を所持する70歳の方が、エコノミー型の車両保険に加入しており、自動ブレーキ機能がない車の場合、年間保険料は平均8万円程度です。

それを、自動ブレーキ割引対象車両に乗り換えた場合、7,200円ほど保険料が対象車両に乗っている間、「毎年」割引される計算になります。つまり、自治体から3万円の助成金を受け、なおかつ自動車保険料の割引対象となった場合、5年間経過すれば安全装備未搭載車との差額「6万円」は、帳消しにすることができるということです。

また、買い替えなくとも今乗っている車に後付けで「急発進防止装置」を取り付けることもできます。取付工賃を含んでも5万円未満ですので少しでも安全を考えるとおトクかもしれません。

 

免許返納のハードルを下げるためにできること

打開策1.運転経歴証明書を取得する

写真付きの身分証明書が無くなると困るから仕方なく免許を所持している場合は、「運転経歴証明書発行制度」ですぐに解決できます。公安委員会が交付する運転経歴証明書は、免許証と同じサイズで顔写真も添付されているので、本人確認書類として金融機関等でもどこでも身分証として用いることができます。

すでに運転免許の取消し手続き(自主返納)を終えていても、5年以内であれば申請でき、所轄警察署交通課か各免許試験場へ次の書類を持ち込めば、1,100円の手数料で入手できます。

  • 申請による運転免許の取消し通知書(紛失時は再発行可能)
  • 本人確認書 ※自主返納を同時申請する場合は不要。
  • 申請用写真1枚 (免許更新時と同サイズ・警察署では撮影不可なので要事前準備)

これさえ持っていれば免許書を返納しても、その後の生活で証明書がないと困る心配は一切ありません。なお、受付時間や本人確認証の種類などは自治体によって異なりますので、お住まいの地域にある各窓口で事前に確認をして手続きを行ってください。

打開策2.ネットスーパーや各自治体の支援制度を活用する

パソコンやスマホの操作に不慣れな年配の方にとって、ネットスーパーの存在はなんとなく知っていても、利用方法がわからない、難しいという声も上がっています。

そのため、大手スーパーチェーンなどでは、カタログを見て商品を選び、電話注文することで自宅に届けてくれる、高齢者向け宅配サービスを実施しています。また、ローソンは「フレッシュローソン」、セブンイレブンは「セブンミール」など、コンビニエンスストアでも電話やファックスで注文を受け、スーパー並みに揃った商品を自宅に配送するサービスを展開しています。

運転経歴証明書を提示すると、公共交通機関やタクシー会社で運賃の割引が受けられる場合もありますし、自治体によってはカラオケボックスやボーリング場などの遊興施設、観光ホテルなどと協力し、返納者への優遇サービスを用意しているところも数多くあります。

「運転免許を返したら何かと困る…」とマイナスに考えるのでなく、こういった各種支援制度をフル活用することにより、返納後もまだまだ続く人生を楽しく、充実したものにできるのです。

まとめ

政府や自治体、警察などは、深刻になりつつある高齢ドライバーの事故増加について、ただやみくもに返納を呼び掛けるだけでなく、安全装備車搭載車購入時の助成制度や免許返納後の生活支援制度などを整備しています。

しかし、各助成・支援制度や自動車保険の割引にしろ、ネットスーパーにしろ、高齢者に中には存在すら知らなかったり、知っていても手続きがわからなかったりして、本来受けられるサービスをしっかり受けることができていないのが現状です。

また、「車の運転をやめる」という決断は、思っている以上に覚悟がいる決断であり、免許返納によって買い物や外出の機会が減ると、高齢者と外部コミュニティの接触が少なくなり、安否確認がおろそかになってしまうケースもあります。

高齢ドライバーが安全に運転でき、かつ返納後の生活に困窮しないよう返納を進めていくためには、若い世代や地域コミュニティによるサポートと見守り体制が不可欠です。頭ごなしに免許返納をすすめるのではなく、世代を超えて「運転を続ける場合はこうしよう」「返納してもこうすれば困らないよね」という話題をオープンに語り合い、みんなで善後策を考えていきましょう。

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