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高齢者の安全運転を推進するために今すぐできる3つのこと

高齢者の安全運転を推進するために今すぐできる3つのこと

年齢を重ねるにつれ、体の反応スピードや判断力が徐々にと低下する「老化現象」。これによって、昔は難なくできたことが、スムーズにできなくなっていきます。そして、最もコンパクトな軽自動車でも約900kgの車両重量を持ち、それが時速50km近くで縦横無尽に駆け巡っている現在、高齢ドライバーの「老化」が原因と考えられる重大事故は、残念ながら年々増加傾向にあるのです。

高齢ドライバーによる悲惨な事故のニュースが連日メディアで大きく取り上げられるため、ドライバー自身も、だんだん運転に自信がなくなってきたり、心配する家族のすすめで免許を自主返納したりしているようです。とはいえ、郊外や地方に住んでいる高齢者からは、車がないと生活が大変、という声も少なくはありません。

そこで今回は、高齢ドライバーを身内に持つ家族に向けて、高齢でも安心して運転するために役立つサービスや制度、案外手ごろな価格で購入できる安全運転促進グッズなど、いくつかピックアップして紹介します。

 

高齢者の安全運転推進方法その① 講習や安全運転体験教室を受ける

 

高齢ドライバーによる重大事故の増加に最も危惧を抱き、対策に力を入れているのが警視庁や自治体です。対策の一つとして、免許更新をする70歳以上の高齢者に対して「高齢者講習(75歳以上は認知機能検査も同時に受ける)」が義務付けられるようになりました。この講習は法律上の義務であるため、受講だけでなく、合格をしなければ免許を更新することはできません。高齢者講習は座学と運転適性検査、実車をそれぞれ60分ずつ行います。

しかし、たとえ周囲が運転に不安を持っていたとしても、70歳未満の方は受講する義務はないのです。そのため、各地の運転免許試験場や自動車学校では、開催時期や定員に若干の違いはありますが、65歳以上のドライバーを対象とした「安全運転体験教室」を無料で開催している所も多くあります。シミュレーターによる運転適性診断や、教習車を使った安全運転診断・指導などを受けることができるため、自分の今の運転技術を自覚できる機会になりますし、場合によっては自主返納を決意する1つのきっかけになることもあるでしょう。

また、各自治体が、運転免許技能試験官など専門的な経験・知識を持つ人からたち選抜・採用した「高齢者安全運転推進員」を派遣してもらい、講習会を開いているところもあります。この講習会では、認知機能検査の1つである言語流暢性課題(VFT)検査を、タブレットを利用して丁寧に解説してくれたり、動画KYT(危険予測トレーニング)を通じて運転中の危険を素早く察知することの重要性を伝えてくれたりします。

老人施設や地域の公民館など、複数人が集まれる場所を準備し日程を決め、申請・受理されれば休日・夜間の派遣も可能。派遣費用はなんと無料です。内閣府が推し進める事業にのっとった制度ですが、自治体によって募集要項や手続き方法が異なりますので、興味のある方は各自治体に問い合わせてみてください。

高齢者の安全運転推進方法その② 運転見守りサービスを利用する

高齢の親がいるけど、一人で運転して出かけてしまう…。事故が起きるのは一人で運転しているときがほとんどです。どこにいるのか、どういう状況かがわからないと、家族も心配しますよね。そこで活用したいのが運転見守りサービスです。

株式会社スマートドライブが提供する「SmartDriveFamilies(スマートドライブファミリーズ)」その一つです。専用デバイスを装着するだけでスマホで簡単に現在地や走行ルートを確認できるので、いつどこにいるのか、どんな運転をしているのかが一目瞭然。設定さえしておけばスマホに自動通知も飛んできます。遠くに住んでいても、同居していても、家族の運転をいつでも見守ることが可能です。

レンタカー事業や中古車販売業などを手掛けるオリックス自動車も、速度超過や急ブレーキ・急加速、夜間走行や長距離走行など、事故リスクの高まる運転を検知した際に離れた場所にいる家族に知らせる、運転見守りサービス「Ever Drive」を提供しています。GPSを利用した車両位置お知らせ機能や、日頃の運転傾向をドライバー自身や家族で再確認できる機能などを備えています。

また、代理店型自動車保険損保の中には、高齢者向けの自動車保険特約として、以下のような見守りサービスを用意しています。見守りサービスといっても危険回避ではなく、万が一の際の連絡・対応に特化していますが、リーズナブルな価格で利用できますので、加入時に家族などがセットすることを勧めるのもいいでしょう。

損保会社名特約名主な機能月額掛金
東京価海上日動ドライブエージェントパーソナル・危険運転の警告

・衝撃検知時の連絡

650円
三井住友海上GK見守るクルマの保険・衝撃検知時の電話連絡

・高速道路逆走時には家族へ通知

300円
損保ジャパン日本興亜ドライビング!・事故発生時のALSOK駆け付けサービス

 

850円

運転履歴などの個人情報が外部に漏れることを懸念する方もいますが、万が一の大事故や2次被害を防ぐことができるのであれば、安全を優先して考えても良いかもしれません。

 

高齢者の安全運転推進方法その③ 簡単なのに効果的!安全運転サポートグッズ3選

ホンダセンシングやスマアシⅢなど、先進の安全サポート機能を装備した車は数多く登場していますが、新車への買い替えとなるとコストもかさむため、「年金生活ではちょっと難しいな…」と、感じる方もいることでしょう。

ここでは、もっと安価で簡単に高齢者の安全運転を手助けしてくれる、おすすめのグッズを3つ、厳選してご紹介します。

高齢ドライバーであることを周囲に知らせる!「高齢運転者標識」

高齢ドライバーが車に装着することで、安全運転を喚起させるかも…?数あるグッズの中でもっとも有名で広く普及しているのは、なんといっても四葉のクローバーがモチーフの高齢運転者標識でしょう。70歳以上のドライバーが、運転する車の目立つ場所に表示するもので、周囲の運転者はこのマークの付いた車を保護する義務があり、もしも幅寄せや割り込みなどをした場合、初心運転者等保護義務違反(※)に、問われる可能性があります。

※道路交通法台71条により、反則点数1点反則金6,000円が課せられます。

付けるだけで高齢ドライバーは保護され、自身だけでなく周囲の安全にもつながる標識。値段は2枚セットで600円程度。しかし、「自ら年寄りであることをアピールするのは…。」と、恥ずかしさから付けたがらない高齢ドライバーも少なくはありません。

なにより、高齢運転者標識の表示はあくまで「努力義務」であり、法的な強制力がないのも問題ですが、手軽に手に入るし、すぐにでもできる対策です。親族に高齢ドライバーがいらっしゃる場合は、是非とも使用を促してあげてください。

 

意外な威力を発揮!「コーナーポールアンテナと補助ミラーのコラボ」

高齢ドライバーだけに限ったことではありませんが、運転に関わる身体機能の中で、最も危険運転に繋がりやすい機能に、視力や空間把握能力の低下が挙げられます。

単純な視力低下の場合もありますが、年齢を重ねると動体視力が鈍ってきたり、視野が狭くなってきたりすることもあるため、助手席側前方や走行時に後方・左右の死角が増え、予想外の接触事故を起こしてしまうケースも。そこで、予防対策としてすぐにできるのが、助手席側バンパー部に取り付けるコーナーポールアンテナ(写真上)と、ルームミラーやサイドミラーに取り付けて広い視野を確保でき死角を少なくしてくれる補助ミラー(写真下)の併用です。

もともと、車にコーナーセンサーやバックモニターといった安全機能が付いているなら問題はありませんが、高齢ドライバーの中には安全装備が充実していない車を長年愛用している方も大勢います。

どちらも1,000円前後なので安価ですしインターネット通販で簡単に手に入りますので、敬老の日などのプレゼントにしてもいいかもしれませんね。

 

あらかじめ衝突時の衝撃を軽減する対策を!「バンパープロテクター」

事故を未然に防ぐ手立てを打っておくのも大切ですが、万が一の衝突を想定した対策を併せてしておくのも、重大事故を減らすのに効果的です。

自動車が、何かしらの障害物とぶつかるとき一番先に接触をして、ダメージをできる限り吸収する役目を持つのがバンパー。最近の車にはポリプロピレン(PP)という、鉄製バンパーより柔らかくて、衝撃吸収力の強い素材が使用されています。とはいえ、それも、歩行者の人体や自転車からすれば凶器になることも。そこで各自動車パーツメーカーは、PP製バンパーの上に装着することで、さらなる保護効果を発揮するバンパープロテクターを開発して販売しています。値段は〜1,000円未満のものも。

万が一の衝突事故発生時、けがの程度や生死を分けるのは、ほんの少しの「はずみ」であることもあります。バンパープロテクターを付けていたからと言って、それが即座に重大事故の抑止力とはなりませんが、付けていないよりずっと被害を抑えることは可能ですし、「普段の車庫入れなどが苦手」という高齢ドライバーには、非常に心強いアイテムになるでしょう。

 

まとめ

高齢者の安全運転を推進するには、国や自治体の制度の活用や見守りサービスの導入、さらに安全運転サポートグッズの利用など、複合的に検討する必要があります。

しかし、最終的には高齢ドライバーを取り巻く、他世代ドライバーや家族の協力なしにそれを実現することは難しいでしょう。高齢のご家族の立場になり、一緒になって事故を防ぐ方法を模索していきましょう。

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