初心者必見!予備知識ゼロの人のための車検ガイド | Smartdrive Style

日本国内において自動車を所有していると、車検は「義務」として必ず行わなければなりません。車検の時期がくるとどこで何をすることになるのか、いくらくらい費用がかかるのかなど、これまで車検の経験がないという方にはわからないことも多いかと思います。

この記事では、車検について予備知識ゼロの方でもわかるように丁寧に説明していきます。初めて車検を迎える方はぜひ参考にしてみてください。

 

車検の正式名称は、「自動車検査登録制度」です。道路を走るためには、各車両ごとに自動車登録番号標が記されたナンバープレートと自動車検査症(車検証)、検査標章を表示することが義務付けられています。これは、人も車も安全で公害の少ない交通社会を実現することを目的として、法律で自動車に一定の基準を決め、所有している自動車がその基準に適合しているかを定期的に検査して公道の通行を認可する制度です。

法的には道路運送車両法第62条で「自動車の使用者は、自動車検査証(車検証)の有効期間満了後も当該自動車を使用しようとするときは、当該自動車を提示して、国土交通大臣の行う継続検査を受けなければならない。」と定められています。この継続検査が車検です。車検を受けていない車は公道を走ることができません。

万が一、車両の整備不良によって大きな交通事故が多発してしまったら…。車は非常に便利なものではありますが、誤った操作や不備によって人や物を破壊するとても危険な一面も持ち合わせています。もし、車検制度がなければ、街中に汚い排気ガスをまき散らす整備不良車や故障車が増え、公害や事故が多発することになりかねません。

ヒトや環境を守り、安全性を確保するために、日本では世界でも数少ない「車検制度」が義務付けられています。車検は「国(指定の運輸支局)」が検査します。また、車両の所有権を明らかにして盗難車ではないことを確認したり、検査と同時に自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)と重量税を収めたりするのです。

自動車は、道路(公道)を安全に走行するために「安全で健康な車」であることが求められます。そのために定期的に道路運送車両法で定められている保安基準を満たしているかを検査するのです。

ただし、「車検を定期的に必ず受けているから、次の車検までこの車は違法ではない、安全だ」と思い込むのは大間違いです。車検を受けた時点の保安基準は満たしていても、「次の車検までの安全を保証するものではない」ことを理解することが必要です。

忘れてはいけない一番重要なことは「次の車検まで安全で健康な状態を保持するために定期点検や整備を行う」ということです。

 

第二章 車検はいつ受けるもの?

車検の有効期間は車種ごとに違います。自家用乗用車(普通車・軽自動車)であれば初回が3年、2回め以降は2年ごとに受ける必要があります。まずは車に備えてある「車検証」またはフロントガラスに貼ってある「検査標章(ステッカー)」を確認してください。車検証にある『有効期間の満了する日』という項目に、車検の有効期間が満了する年月日が記載されています。車検自体は、満了日の1ヵ月前(離島は2ヵ月前)から受けることができます。

また検査を受けた日から次の有効期間が始まるわけではなく、次の車検の有効期間は車検証に記載されている、「有効期間の満了する日」の次の日を起算日とされます。車検が受けられる期間に入ったからといって早めに車検を受けても、次の車検までの有効期間が早まるわけではありません。ただし、1ヵ月以上前に検査を受けると検査を受けた日から2年間の有効期間になってしまうので注意が必要です。

1年間の中で最も混雑すると言われているのが、3月と12月の車検。いずれの時期も新車販売台数が増える月であるためです。ここ時期は予約が取りづらくなりますので、早めに日程を決めましょう。

 

第三章 車検の費用と内訳

車検費用の内訳は、さまざまな項目で構成されています。その内容は法定費用と整備点検料、さらに点検した結果、交換しなければならない部品代とその作業工賃などです。車検費用は大きく分けて法定費用、点検整備費用と部品交換費用の3つに分けられます。この中でも節約できるものと全くできないものがあります。

1.法定費用

法定費用はある決まった額を納付するもののため、どこで車検を受けても金額は変わりません。具体的には1.自賠責保険料2.自動車重量税3.登録印紙・証紙代の3つを納めます。

また、法定費用は非エコカー(一般車両)、エコカー、新車登録から13年経過・18年経過した車両で金額が変わってきます。

2018年度の金額を参照しながら見ていきましょう。

・自賠責保険料

車種 37カ月 36カ月 25カ月 24カ月 13カ月 12カ月
普通車 36,780円 35,950円 26,680円 25,830円 16,380円 15,520円
軽自動車 35,610円 24,820円 25,880円 25,070円 15,960円 15,130円

自賠責保険は一般的に車検期間分加入することになります。したがって、普通車で車検を受ける場合は24カ月契約の25,830円。軽自動車の場合は25,070円を支払うことになります。万が一、車検が切れてしまった場合は25カ月契約をすることになります。自賠責保険料は2017年4月1日時点の保険料です。沖縄県や離島などの一部の保険料は異なります。

・自動車重量税

自動車重量税とは車両重量によって課税される税金で国に収める税金です。小型車や普通乗用車などの登録車は車両重量(車検証に記載のある車両重量)と期間によって課税額が変わっていますが、軽自動車は一律5,000円(本則税率)となっています。

有効期間 〜0.5t 0.5t〜1t 1t〜1.5t 1.5t〜2t 2t〜2.5t 2.5t〜3t
1年 2,500円 5,000円 7,500円 10,000円 12,500円 15,000円
2年 5,000円 10,000円 15,000円 20,000円 25,000円 30,000円

自家用車の場合、車検期間は2年ごとになりますので、車両重量の1トン以下のコンパクトカーの重量税は1万円。車両重量が1.5トン~2トンのミニバンの重量税は2万円となります。

重量税は排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境性能の高い車種に対してはエコカー減税が適用されます。新車新規登録時免税を受けた車両においては、初回の車検(継続検査)時も免税となります。ただし、2017年5月1日以降新車新規登録などした乗用車については、免税要件を満たし、かつ2020年度燃費基準+40%以上を達成している車両のみ初回の車検(継続検査)時も免税対象です。また、車検日においてエコカー減税の対象となる車両については車検(継続検査)時に納付すべき税額が割引された本則税率となります。車の年式や仕様により金額が変わりますのでご確認ください。

・登録印紙・証紙代

車検(継続検査)を受ける際にかかる検査手数料は印紙で支払うため、印紙・証紙代と言われます。支払う金額は5ナンバーの小型車、3ナンバーの普通車、軽自動車で変わります。

車種 検査手数料
普通車 1,800円
小型車 1,700円
軽自動車 1,400円

この検査手数料は指定整備工場経由の場合とユーザー車検の場合で金額が異なります。指定工場経由の場合、その工場のシステムによりOSS導入工場は1,000円、それ以外の工場は1,200円です。ユーザー車検の場合、軽自動車は1,700円、小型、普通乗用車は1,800円になります。

2.点検整備費用

チラシや広告等で『車検○○○〇円』と謳っている金額はこの項目です。この点検整備費用は、車検を代行して受けてくれるディーラーや整備工場の費用と考えてください。車両各部位の検査料や整備料がこの項目に含まれ、車検を依頼する業者によって「代行手数料」と言ってユーザーの代わりに運輸支局に持ち込んでの検査を代行で行う手数料がかかるところもあります。

金額は場所によって大きく変わる部分の費用になります。見積もりを取ると、「点検料・整備料・調整料・検査料・事務手数料」という項目に分けていたり、「車検基本料」としてまとめられていたりします。相見積もりを比べる際の参考にして下さい。

3.付帯サービス費用

付帯サービスとは、交換が必要な部品代とお考えください。タイヤが摩耗していたり、オイルが減っていたり汚れていたりすると車検の整備点検項目に抵触しますので、交換が必要になる場合もあります。付帯サービス費用はこれらにかかる費用のことです。

これらを合計すると、車種によっておよそ次のような金額差がでてきます。

車種例 法定費用 車検基本費用 部品交換費用 合計
1500ccクラス普通車 47,500円程 54,000円程 コンディションによる 100,000円〜
軽自動車 33,070円程 34,020円程 コンディションによる 70,000円〜

 

第四章 車検に必要なもの

車検には、いくつか必要な書類や持ち物がありますので、受ける前に準備が必要です。この時、カーディーラー等業者に依頼する場合と、ご自身で検査に持ち込む場合と準備するものが違います。それぞれ受ける前に確認してくださいね。

業者に依頼する場合

・自動車検査証(車検証)
・保険期間が有効な自動車損害賠償責任保険証(自賠責保険証)
・最新の自動車税納税証明書(継続検査用と記載のあるもの)
・使用者の認印

持ち込み車検(ユーザー車検)

・自動車検査証(車検証)
・保険期間が有効な自動車損害賠償責任保険証(旧自賠責保険証)– 有効期間中の自動車損害賠償責任保険証を持参してください。
・次回車検満了日まで保険期間が有効な自動車損害賠償責任保険証(新自賠責保険証)
・最新の自動車税納税証明書(継続検査用と記載のあるもの)
・使用者の認印 — 車検証の使用者の印鑑を持って行きましょう。
・自動車検査票
・自動車重量税納付書
・継続検査申請書
・定期点検記録簿
・重量税印紙

 

第五章 どこで車検が受けられますか?

車検を受けるには、ディーラーや整備工場などの業者に依頼して受ける方法と、ユーザーが運輸支局等に持ち込み検査を受ける2つの方法があります。業者に依頼する場合でもどこに出したらいいかとか迷われると思いますので、簡単に業態の違い等をご説明しましょう。

ディーラーや整備工場などの業者に依頼して受ける

こんな方にオススメ:
車のことはよく分からない方
車検後の保証があり、安心・安全に自動車に乗りたい方

①新車を販売しているディーラー

メリット
・メーカーのサービスとして質の高い点検整備が受けられる
・設備や知識、自社の車に関しての経験が豊富
・メーカー純正パーツを使用するケースが多いので安心

デメリット
・自社メーカー車以外の知識は多くない
・価格は一般的に割高

②自動車整備工場や民間車検場

メリット
・指定工場であれば検査ラインを自社で保有しており点検整備から車検まで行える
・比較的割安な価格設定

デメリット
・工場によって設備や技術にバラつきがあります。
・基本的に車両は工場でお預かり、工場でお返しになります。

③1日車検店

メリット
・24ヵ月点検も行っているところでは、交換すべき部品も教えてくれます
・費用が安く済む

デメリット
・交換が必要な部品があった際は1日で終わらない場合がある
・ディーラーなどと比べると点検整備の質が見劣りする場合がある

運輸支局に車を持ち込んで検査を受ける持ち込み車検(ユーザー車検)

こんな方におすすめ:
少しでも金額を抑えたい
車に詳しい・自身で挑戦したい

メリット
・車検費用が安い

デメリット
・運輸局が空いている時間の対応になるので、平日に時間(お休み)が取れることが条件
・検査に落ちて再検査になる可能性もある

 

第六章 車検が通る基準が知りたい!

車検とは、道路運送車両法で定められている保安基準を満たしているかを検査することです。車検時の定期点検の項目は56項目あり、次のような項目で車が正常に作動するかどうかを点検します。

・フットブレーキやパーキングプレーキ点検
・下廻りのブーツ類の破損点検
・その他 自動車の下廻り点検
・運転席から見えるシートベルト警告灯・SRS警告灯等やハザードの点灯
・各ライト/ランプの点灯と点滅(外観検査)
・オイル等の漏れ

2018年5月よりエアバックのリコール対象車両に関して、リコール処理をしていないと車検出来なくなりましたのでご注意を。また、次のような車両の整備不良や違法改造もNGです。

違法改造車:
故意に保安基準から外れた改造を施している車両のことで、保安基準に適合出来るように、車両を元に戻さないといけません。主に多いのが、マフラー等の騒音基準や車高の高さ・ホイールのはみ出しです。

整備不良車:
経年劣化や事故等で保安基準から外れた状態になっている車両のことで、主に多いのが、オイル・グリス漏れ、灯火類の不点灯、レンズ類の割れ、フロントガラスの飛び石による傷やヒビ、バンパー外れ等です。こちらも元の状態に直さないといけません。保安基準に則って検査をしますので、基準に直す必要があります。経年車は特に油脂類の漏れや排気ガスの基準値越え等に注意が必要です。

定期点検で問題がない車両は、保安基準に基づき次の項目で車両検査を行います。

・ヘッドライトの光軸検査
・サイドスリップ検査
・スピードメーター誤差検査
・フットブレーキ検査
・サイドブレーキ検査
・排気ガス検査

これら、定期点検・車両検査共に保安基準に適合してはじめて「車検に通った」ことになるのです。そして、納税と書類に不備がなければ新しい車検証が発行されます。

 

日頃から車の整備や点検をしよう!

ここまで説明してきたのでご理解いただけたかもしれませんが、車検には大きな出費があります。車検を受けるだけでも負担が大きいのに、付帯サービス費用でさらに出費が膨らむ場合も。「えっそんなにかかるの!?」と驚く前に、日々、賢く車と付き合っていきましょう。

大半の方は車検のタイミングで車の状態を知ることが多く、「コレを直さないと」「アレを直さないと」となってしまいがちです。そのため『車検=お金がかかる』のイメージがあるかもしれません。

車にはいくつも消耗品があります。消耗品を早めに交換していれば、車検の時に交換しなくてもいい部品は多々あります。エンジンオイルは5,000km毎の交換、タイヤは30,000~40,000km毎で交換などスケジュールを立てて維持していけば、車検のタイミングでの出費は抑えらますし、車の故障やトラブルも減りますよ。

車検を選ぶ一番の基準は、安心して自分の車を預けられる所かどうかということです。車は個人で所有する高価な財産。大事に扱ってくれるところを探しましょう。

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