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愛車からのSOS!酷暑に気を付けたい車トラブルとメンテ術

愛車からのSOS!酷暑に気を付けたい車トラブルとメンテ術

全国の至る所で連日35度以上の猛暑日を記録するなど、今年の夏は全国的に猛暑を超える「酷暑」となりました。熱中症で搬送された方も多かったと思いますが、人間に限らず車もここまでの暑さになると様々な不具合が出やすくなってきます。

そこで今回は、暑い真夏に起こりやすい車トラブルの種類や前兆の見分け方、重症化を防止するメンテナンス方法について現役整備士としての視点から詳しく解説します。また、あわせてプロがやっている裏ワザ的なテクニックや、車の健康管理に役立つグッズなども紹介しますね。

 

暑い真夏にチェックしたい「車の体調チェックリスト」

人間も同じですが、体格や性別、年齢によって暑さへの耐性が異なるように、車も「気温によって不具合が出やすくなる」ものとそうでないものがあります。とはいえ、30度を上回ると、エンジンも高温になってトラブルが発生しやすくなり、

ディーゼル車 > 大型車 > 中型車 > 小型車・軽自動車

の順で、暑さに弱い傾向があります。

また、15~20年以上経過した車や、走行距離が10万kmを超えている車、より熱を吸収してしまうブラック系ボディカラーの方が、トラブル発生率が高くなりますので、次の4つのチェックポイントに沿って、この時期は特にこまめに車の体調チェックを行いましょう。

CHECK POINT 1 — タイヤにヒビや亀裂などはないか

アスファルト道路は温度が上がりやすく、30度を超える真夏では60度以上に達することも。その上を、高速回転するゴム製のタイヤが走行したり、ブレーキで停車をしたりするわけですから、タイヤに加わる温度は想像を絶する高さに達するのです。そのため、ヒビや亀裂のある劣化したタイヤは、走行中のバースト(※)のリスクが、非常に大きくなってしまいます。

事故の危険を回避するため、まずはタイヤの状態を確認することからはじめましょう。特に、長距離走行や高速道路を利用する前は、必ず目視でタイヤの状態をチェックするよう心がけてください。

また、タイヤに充填されている空気も、少なすぎるとタイヤに加わる摩擦熱が上昇してバーストの危険性が増しますので、カー用品店やガソリンスタンドなどで点検、適量を補充するようにしましょう。

※タイヤの経年劣化などを原因に、走行中急にタイヤが破裂してしまう現象のこと。

 

CHECK POINT 2 — エンジンの温度が高くなりすぎていないか

夏のトラブルとして最もイメージされるのが、エンジン温度が高すぎるときにおこる「オーバーヒート」。これは人間でいう熱中症のようなものです。燃料自動車は、内燃機関の中で常時燃料を爆発させ、そのエネルギーで走行しています。エンジンはそのまま走行してしまうと常時高温状態になりますが、それを冷却するためについている装置がラジエターです。

ラジエターは、通常ボンネット内の最前部に付いており、内部には「冷却水」が充填されています。冷却水は、ラジエターに付属している「クーリングファン」で冷やされ、ホースを通じてエンジン内を循環しエンジンから熱を奪い、再度ラジエターに戻って再びクーリングファンで冷やされます。

しかし、なんらかの理由でこのサイクルに不具合が出た場合、冷却水は高温のままでエンジンが冷やされず、結果としてオーバーヒートに繋がっていくのです。多くの車にはこの冷却水の温度を一目で確認できる「水温計」がフロントパネルに取り付けられており、Coldを意味する「C」と、Hotを意味する「H」との中間点より下であれば、基本的に正常と判断できます。

最近の車はコスト削減のためか水温計が設置されていないこともありますが、その場合は水温の上昇を警告する、「インジケーター(警告灯)」が点灯していないか、毎日の走行前にチェックしましょう。また、目視で冷却水のサブタンクの量が減っていないかチェックすることで、ラジエターの状態を判断することも可能です。

車の冷却水は、「LLC」と呼ばれる真水より防錆・防凍結性が高い専用液が使われており、緑色もしくは赤色をしていますので、サブタンクについている「Full」と「Low」の線の間に収まっていればOKです。

 

CHECK POINT 3 — バッテリーの電圧は正常?

気温が低くなると充填されているバッテリー液の性能が大きく低下するため、冬場にトラブルが多いと言われています。しかし、性能自体に問題は出ないものの、消費電力が大きいエアコンを使用する夏場も、バッテリー上がりのリスクが高い季節なんです。バッテリーが弱っていると次のような症状が出ます。

  • パワーウインドの開閉スピードが遅い
  • 停車時ライトが走行中より暗く感じる
  • なんだかいつもよりエンジンがかかりにくい

また、ボンネットを開けてバッテリーを目視したとき、バッテリー液の量が減っていたり、電極に白い粉が付着していたり、本体に軽く触れて膨らんでいると感じたりするときも、バッテリーの性能が低下していることがあります。

 

CHECK POINT — 4 エアコンはよく効いている?

ここまで、車の体調チェックについて触れましたが、この酷暑の中エアコンがしっかりと効いているかどうかも、運転者や同乗者の体調を管理するためには大切なチェック項目です。

車のエアコンは、充填されているエアコンガスに圧力をかけ一旦液化し、それが再度気化する際に熱を奪う性質を利用して車内を涼しくする仕組み。家庭用ルームエアコンの仕組みと同じなのです。しかし、一定の場所に固定されるルームエアコンと異なり、カーエアコンは走行に伴って強い振動が加わるため、ガスの循環サイクルに継ぎ目を設けて柔軟性を持たせています。

そうすると、この継ぎ目からどうしても、エアコンガスが少しづつ漏れていくため、普通に使用していても数年が経過すると、エアコンガスが不足し効きが悪くなってきます。エアコンガスの量をチェックするには専門器具と知識が必要なため、体感的に効きが悪いと感じた場合は、行きつけのカーディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドに点検を依頼しましょう。

 

快適なカーライフのための「車の健康管理」

前項のチェックポイントを確認して、何かしらの不具合を見つけた場合は、トラブルを防ぐためにも速やかに対処をしてください。

具体的にどのような対処をすべきかは、以下で1つずつ解説していきます。

 

タイヤに大きなヒビや亀裂があった!

大きなヒビや亀裂であれば多少の費用は掛かっても交換すべきですが、小さなヒビであれば、使用中のほぼすべてにタイヤに入っているため、必ず交換すべきという訳ではありません。

ヒビや亀裂と大きな関係があり、バーストのリスクが上がってしまうのが、経年によるゴムの劣化。タイヤ交換から5年以上経過している場合は、大きなヒビ・亀裂が認められなくても専門業者に相談し、プロによる点検を受けるようにしましょう。

また、日頃の走行距離が短めで残溝が深く残っているタイヤでも、経年劣化によるバーストは起きてしまいますので、残溝だけで交換時期を判断しないよう心がけてください。

なお、タイヤには製造年を示す記号と数字が明記されており、プロに見てもらえばいつ作られたものかすぐに判明しますので、交換した時期があいまいな方は、判断材料の1つにしてくださいね。

 

オーバーヒートの疑いがある

ラジエターの機能が正常でさえあれば、エンジンは異常高温になることなく警告灯も点灯しません。しかし次のような不具合が発生した場合、水温計の上昇や警告灯が点灯が確認されます。

  • 冷却水が入っていない・不足している
  • クーリングファンが動いていない
  • 冷却水の循環がうまくいっていない

万が一、走行中にこれらが確認された時は、安全な場所に車をすぐ停車し、JAFや自動車保険のロードサービスなどへ連絡のうえ、早急に対処を依頼してください。そのままの状態で走行をすると、オーバーヒートを起こして車が停まり、最悪の場合、エンジンがダメになってしまうことがあるので無理はしないほうがベター。

また、自分で対処しようとする方もいますが、オーバーヒートもしくは、それに近い状態になっている車のエンジンルームはかなりの高温になっているため、やけどなどのケガをしてしまうリスクがあります。

一方、水温計の異常がなく警告灯も無灯火なのに、冷却水のサブタンクを確認した時に「Low」の線より下になっていた場合は、LLC補充液を購入し補充するだけで、解決するケースもあります。LLCは、ラジエター本体に故障や不具合がなくとも、年数がたつと自然に減るもの。しかし、補充したにもかかわらず、数日のうちにまた減っているような場合は、なんらかの理由でLLCが漏れてしまっていることも考えられます。この場合、オーバーヒートを引き起こしてしまう可能性があるので、専門業者に点検をしてもらい必要に応じて修理を依頼してください。

バッテリーに異常を感じたら

バッテリーに異常が感じられたら、カー用品店やガソリンスタンドに持ち込んで、専用の電圧チェッカーでバッテリーが弱っていないかを点検をしてもらいます。バッテリーは車が大きくなるほど大型になり、併せて購入費用もかさみます。しかし、バッテリーが上がってしまうとエンジンすらかからなくなるため、プロの判断に従って交換をしてください。

ただし、バッテリー液の不足で性能が落ちている場合は、補充することで回復するケースもあります。バッテリーの年数的な寿命は2~4年とされていますので、カー用品店で数百円で販売されている「補充液」を購入し充填して、一定期間様子を見てもいいでしょう。

こんなに暑いのに…エアコンが効いていない!?

エアコンが効かない、もしくは効きが悪いと感じたら、専門業者に点検を依頼し、車種・モデルごと決められている適正量まで、ガスの補充をしてもらう必要があります。

エアコンガスは非常に水分と結びつきやすい性質を持っており、水分量が増えすぎても効きが悪くなります。専門業者の中には、適正量まで補充できる「エアコンクリーナー」を完備しているところもあるので、こちらを利用してもいいでしょう。

また、カーエアコンには花粉やダスト、排気ガスなどを除去し空気をクリーンに保つ、エアコンフィルターがついていますが、長年利用していると目詰まりして不快なにおいが発生したり、エアコンの効きが悪くなったりします。ガスの補充や、クリーニングを実施しても、なかなか効きが復活しない場合は、このエアコンフィルターの目詰まりを疑い、業者に点検を依頼して交換をする必要もあります。

 

プロ直伝!暑さ対策の裏ワザと便利グッズ

真夏に起きやすいトラブルは、事前に車のプロに点検を依頼することで未然に防ぐことができるものの、点検はともかく交換となると、いかんせん費用がかさんでしまいます。そこでここからは、整備のプロが教える暑さ対策の裏ワザや、愛車の健康管理に役立つグッズを紹介しますので、車の維持コスト節約に役立ててください!

 

タイヤ健康管理の裏ワザ「ローテーション」

バーストしやすいのはハンドル操作と直結している前輪のタイヤがほとんど。万が一バーストが起きると、交通事故発生の可能性もグンと高くなってしまいます。ハンドル操作やブレーキをかけた時に大きな負荷が前輪の方にかかることが主たる原因ですが、これは真夏に限ったことではなく、他の季節も同じ。こうした理由から、前輪タイヤの方が後輪より早く、劣化や摩耗が進みんでしまうのです。

少しでも長持ちさせたいなら、夏場に差し掛かる前に前輪と後輪のタイヤを入れ替える「ローテーション」をしておくと、幾分夏の暑さによるバーストを防ぐことができます。また、4輪全て劣化している場合は、2本だけ新品を購入し、それを前輪に据えることで、トータルでかかるコストを節約することも可能です。

 

オーバーヒート予防の裏ワザ「オイル交換の実施」

オーバーヒートを防いでいるのはラジエターだけではありません。エンジン内部の潤滑をするエンジンオイルも、エンジンの熱を外部に放出させるという、重要な役目を担っています。

エンジンオイルは、古くなると熱の放出性能が低下しますので、夏場に入る前にオイル交換しておくと、ラジエターとともに優れた冷却効果を発揮してくれますよ。

 

バッテリーを長持ちさせる裏ワザ「アイドリングストップを切る」

信号で停車した際などに、一旦アイドリングを止めることで、燃費性能をアップさせるアイドリングストップ。しかし、これによって毎回高電力を要するエンジン始動を行わなくてはならず、バッテリーへの負担は増してしまいます。

燃費性能とバッテリー寿命、どちらを取るかは利用者の判断次第ですが、例えばバッテリーの充電量が少なめの“乗り出し”の段階では、アイドリングストップを解除して充電し、一定の距離を走行したら機能させるといった工夫も、夏場では必要になってきます。

そうすることで、少ない充電量で何度もエンジン始動しなくて済むため負担が減り、バッテリーの寿命を伸ばすことも可能に。(車のバッテリーは携帯のバッテリー同様、何度も放電・重電を繰り返すと劣化が早くなります。)

 

エアコンの効きを良くする裏ワザ「車内の熱をあらかじめ下げておく」

カーエアコンは構造上、エンジンの回転数が高い方が良く効くため、停車時や発信直後の回転数が少ない時には、効きが弱くなります。

炎天下で長時間停車していて、室内温度が高くなっているときは、なかなか涼しくならない経験をした方も多いはずです。こんな時は、エンジンをかけエアコンを始動させる前の段階で、室内にこもった熱を外部に逃がすと、エアコンの効きが早く表れます。

方法はいたってカンタン。まず、助手席側及びその後部ドアの窓を全開にし、そのあと運転席のドアを、バタンバタンと仰ぐように数回開け閉めしましょう。溜まった熱気が外に排出されますよ。この方法なら、エアコンがすぐに効き始め快適さが増すばかりか、早くエアコンの風量や設定温度を下げられるため、結果としてバッテリーの延命にも繋がりますので、ぜひ試してみてください。

 

暑さ対策に役立つ!おすすめ便利グッズ3選

最後に、日常点検や各トラブル防止に役立つグッズを3つ紹介します。気になるものがあれば、ぜひ採用してみてください。

・ラジエターバルブ

ラジエター内に充填されている冷却水は、エンジンを通過する際に100度を超える温度に達するため、そのままにしておくと蒸発して減ってしまいます。強い圧力かけることで沸点を上げているのがラジエター本体の上部についているラジエターバルブですが、これを新品に変えることで、冷却水の急激な減少を防止することができます。

カー用品店はもちろん、Amazonなどの通販でも購入できますが、購入前に適合車種の確認が必要です。エンジン温度が高い時に作業をすると、熱せられた冷却水が噴き出してやけどをする危険がありますので、交換はエンジンが冷えている状態で必ず実施してください。

 

・シガーソケット式バッテリーチェッカー

車業者が持っている本格的な機材と異なり、こちらは車のシガーソケットに差し込むことで、常時バッテリーの電圧をチェックできる優れものです。

LEDライト型やデジタル表記型などがあり、価格も1,000円以下から~3,000円まで多種多彩。いずれも通販での購入が可能ですし、バッテリ―のこまめなチェックのために車に積んでおくと重宝しますよ。

・携帯エアーコンプレッサー

12Vシガーソケットに差し込むだけで車のタイヤに空気を充填できる上、空気圧のチェックも同時にできるという、非常に優秀なグッズです。価格は2,000円〜から、大型4WDやトラックなどには適合しない商品もあります。

車も私たち同様、毎日健康がイチバン!

最近の車は、滅多なことでは高温に伴う不具合は起きませんが、それでも35度以上の酷暑が続くと、さすがにトラブル発生率も上がってきます。今回ご紹介したポイントやアイテムをうまく活用して、快適で安全なカーライフを楽しんでくださいね!

 

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