最近では、新車・中古車のディーラーに行かず、インターネットでそのまま購入してしまうというケースも増加傾向にあるようですが、依然として一般的な買い方は「まずは販売店やディーラーに車を見に行く」です。そして、そこに必ずいるのが「営業マン」という存在。
営業マンと聞くと、「無理やり買わされそう」「しつこいセールストークをされそう」「こっちが買う気を見せないとちゃんと接客してくれなそう」「あとでたくさん電話やDMを送ってきそう」などのイメージを持っている方もいると思いますし、実際にそういうケースもあると思いますが、逆に彼らも自動車のプロ。上手にお付き合いすることで自分のニーズに合った車が見つかったり、購入後も手厚くサポートしてくれたりなど、充実したカーライフのお手伝いをしてくれる存在にもなりえます。
今回は、自動車ディーラーに勤める現役の営業マンからの視点で、営業マンとの賢い付き合い方のコツや、目的に応じた営業マンの選び方を紹介していきます。
実際の店舗を訪れる前にぜひご一読を!
あなたの好みはどんなタイプ?
自動車ディーラーに行く目的やどう付き合いたいのかを、次の4タイプに大別してみました。あなたはどのタイプでしょうか?
(1)交渉して値引きしてもらうことが目的。ディーラーとは車のお付き合い以外はしないタイプ
(2)車のことを全く知らない、いろいろ教えて欲しいタイプ
(3)車が好き!車の話を楽しくしたい、営業マンとお友達タイプ
(4)やりすぎくらいがちょうどいい、しっかりケアしてほしいタイプ
基本的に、一度担当についた営業マンは余程のことがない限り変更されることがありません。つまり、営業マンが名刺を渡す=あなたの担当は私ですという合図です。2台目を購入しようと車に乗って行った場合、お店によっては車のナンバーと車種を登録し、何月何日に誰が応対したお客さんかを記録しているケースもあります。この対応はトヨタ系ディーラーでは特に多いようです。こうした記録が残ると、次の来店時にも同じ営業マンが対応することになります。
では、どんな営業マンが担当になるかは、その時の運でしかないのでしょうか?実はそうではありません。
営業マンが確定するのは、初回入店時に出てきた営業マンの名刺を受け取って、見積もりを出してもらい、アンケートに自分の名前と住所を書いて提出してしまったときなのです。
ここでのポイントは、「名前と住所・連絡先を営業マンに教えるか」ということです。この3つの情報を教えて、営業マンのデータベース及びお店のデータベースに登録されてしまうと完全にロックオンされてしまうので、もし対応してくれた営業マンと話をしている最中に「この営業マンとはちょっと合わないかな、、、」と感じたら、「ちょっと急用ができてしまったので後日また伺います」などと言い訳をつくってでも、その日は個人情報を渡さずお店を出ましょう。
一度来店したとしても、名前が登録されていなければ初回の営業マンの「担当」にはまだなっていないと判断され、次回来店時には違う営業マンが来る可能性が高くなります。営業マン側もお客さんの情報が事細かに登録されていることがわかると担当の奪い合いはしません。
面と向かって営業マンを変えて欲しいとはなかなか言いにくいでしょうから、上述のように「合わないと思ったら個人情報を教えない」という手もあるということです。
相棒は、自らショールームの中で選ぶべし
営業マンを選ぶ感覚は、友達を選ぶ感覚と似ています。先述した4つのタイプから自分の希望を割り出し、イメージに近そうな人をショールームの中で探して自分から声をかけてしまいましょう。商談中や直後に約束が入っている場合を除いては、そのまま声をかけた営業マンが話を聞いてくれます。
そうすれば、自分が思い描いた営業マンとの付き合い方ができていくはずです。4タイプに多い営業マンのパターンは次のようなイメージです。ご参考までに!
(1)交渉して値引きしてもらうことが目的。ディーラーとは車のお付き合い以外はしないタイプ
大きな値引きを生み出せる営業マンは、実績があって店長からも信頼されているタイプです。営業マンがもつ値引き幅というのは基本的に一定ですが、店長決済(大幅値引き)を引き出すためには、営業マンと店長の良好な関係が必須。
年齢層的な目安には30代後半から40代ぐらいが多い印象です。これらを踏まえて、事務所の中や受付の内側で他の社員から色々質問されているようなベテランと思わしき人に声を掛けるといいでしょう。フロアマネージャーといって、ショールーム内で営業をしながらショールームの統率をとっている人もいます。そういう人も、値引き額という意味で期待がもてる存在になるでしょう。
(2)車のことを全く知らない、いろいろ教えて欲しいタイプ
自分と同じような年代の、同性の営業マンを選ぶといいでしょう。「カーライフ=自分の生活」ですから、家族構成や年齢が似ている方が自分に合った車を提案してくれますし、悩みやわからないことも共有してくれます。
ただし、あなたが20代前半などの若い方であれば、同年代ではなくもう少し上の同性を選ぶといいかもしれません。ポイントは、質問を投げかけたときにその場でわからなくてもしっかり調べてきて教えてくれるというところです。その場で調子よくはぐらかす営業マンは比較的身勝手なタイプが多いので注意が必要です。
(3)車が好き!車の話を楽しくしたい、営業マンとお友達タイプ
カタログ置き場か展示車両・試乗車両の近くにいる人、常に車の側にいて車に関することに携わっている人を見つけてみてください。カタログの残り部数を数えていたり、展示車両をこまめに拭いて綺麗に保っている人も車が好きが多いです。
また、車両説明の際にしっかりとオプションの説明をしてくれたり、「私だったらこっちも好きですね」など自分の好みも話してくれる営業マンもお友達タイプにはぴったりです。
(4)やりすぎくらいがちょうどいい、しっかりケアしてほしいタイプ
しっかりきめ細かにケアをして欲しいタイプは、女性の営業マンがおすすめです。男性営業マンよりもお店の外に出る機会が少ない方が多いのですが、外出するケースが少ないということは、お店の中での必要なルーティーンをしっかりこなせるということに他なりません。点検や新型車の案内なども必要十分に行ってくれます。
また、女性特有の細やかさがあり、男性営業マンである私自身も「そこまでフォローがバッチリとは、すごい!」と思うことがたくさんあります。ダイレクトメールなどに一筆添える、点検来店時に必ず会って話をするなど、きめ細やかなケアが行き届いている点でも、しっかりケアタイプには女性営業マンがベストと言えるかもしれません。
いかがでしたでしょうか。自分のタイプに合いそうな人を探して声をかけるという手段は、営業マンとの距離を近くしてくれますし、声をかけられた営業マンも悪い気はしません。お店の人に声をかけるということは目的を持って来店しているという証にもなりますし、営業マンも誠心誠意答えてくれるはずです。是非、実践してみてくださいね。
もし勝手に担当がついてしまったら…?
もし様々な事情から自分に合った営業マンを選ぶことができなかったら、そこは割り切って担当になった営業マンの能力を最大限に活かすことを考えましょう。まずは、「自分の目的・目標を伝える」「今日はどこまで何をしたいか伝える」「時間はどれくらいある」の3つを初めから伝えてしまいます。そして、営業マンのペースではなく、自分自身で商談のペースを握ることが大事です。
相手は百戦錬磨のプロですから、彼らのペースに乗せられると自分のやりたかったこと、知りたかったことなどが聞けずじまいになる可能性も。そのため事前に明確な目的を伝えることが重要なのです。営業マン側もお客さんの希望や要望がわかれば的確な説明と案内ができますし、無駄な時間を過ごすことなく、自ずと良い話、良い商談をしやすくなります。
最後に大切なのが、購入する際に「クルマもいいけど、この人もいい、だから買おう」と思えること。購入前の不安を解消し、購入後も何かあったら相談するなど良いお付き合いができるからです。
トヨタ・日産・ホンダの3社に関しては、1つの都道府県に経営資本の違うお店が複数あるのが一般的です。赤い看板のトヨタ店、緑の看板のトヨペット店、オレンジの看板のカローラ店、青の看板のネッツ店と4種類のお店があります。
輸入車に関しても、正規ディーラーは複数資本が経営していることが多いので、「クルマは決まったけど、担当者がちょっと….」と思ったら、別資本の販売店に行ってみるのもいいでしょう。
まとめ
車の購入が初めてという方もそうでない方も、この記事を参考にぜひ良い営業マンと良いお付き合いをして、素敵なカーライフを送ってくださいね。